[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州共同体研究開発情報サービス(CORDIS)
元記事公開日:
2013/08/20
抄訳記事公開日:
2013/09/20

ヒトの遺伝情報解明に向けて新たな一歩

New steps in the quest to break the code of life

本文:

欧州共同体研究開発情報サービス(CORDIS)の2013年8月20日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
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2000年のヒトゲノムの解読は、科学の歴史における画期的なマイルストーンのひとつであり、人類の生命に対する理解をさらに深めるための大きな一歩となった。だが数々の科学進歩と同様に、ヒトゲノムの解読は、遺伝子に基づいて作られるタンパク質の複雑かつ多様な作用を明らかにするという非常に困難な課題を解明するための下準備を整えたに過ぎない。

ゲノム・レベルでタンパク質の働きを解明することは、現在、生物学における重要な目的のひとつとなっている。EUが資金供与する「ENZYME MICROARRAYS」プロジェクト(「複雑な生化学システムの解析、創薬および診断のための統合的な技術」)は、タンパク質の働きの解明に役立つ新技術を開発することを狙いとしている。

これまでは、ゲノムにより発現するタンパク質一式(いわゆる「プロテオーム」)の複雑さに対応できるような適切な技術がなく、これが大きな障害となっていた。ミュンヘン工科大学のENZYME MICROARRAYSプロジェクトの研究者たちは、特定のタンパク質、すなわち酵素について研究するための有力なツールとして、新たな酵素マイクロアレイ技術(enzyme microarray technology:EMT)の開発に着手した。酵素は、生命維持のための数多くの化学反応を触媒する大型の生体分子である。

EUは、研究ネットワークや、欧州および欧州域外の研究者のトレーニングと交流を支援するための資金供与の一環として、このプロジェクトに190万ユーロを提供している。

[JSTパリ事務所]