[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
フラウンホーファー協会 システム・イノベーション研究所(ISI)
元記事公開日:
2013/09/17
抄訳記事公開日:
2013/10/22

「2020年までにドイツの道路に100万台の電気自動車」は実現可能か

Sind eine Million Elektrofahrzeuge auf deutschen Straßen bis 2020 erreichbar ?

本文:

フラウンホーファー・システム・イノベーション研究所(ISI)はNational Plattform Elektromobility(NPE)とドイツ工学アカデミー(acatech)の委託により「電気自動車の市場発展シナリオ」と題する調査を作成。その結果について同研究所は概略以下のような報道発表を行った。

2020年までにドイツの道路に100万台の電気自動車を、という目標については議論百出である。調査の結果もこの問題の複雑性を示している。電気自動車市場の発展は、とりわけ外的要因、例えば石油や電気料金に左右されることになる。またコスト問題のほかにも、どのような電気自動車が発売されるか、この新しいモビリティ形態をどう受け入れるのかが決定的な要素となる。かなり楽観的な推定をするならば、連邦政府とNPEの共通目標である2020年までに100万台の電気自動車という数字は、特に販売助成策がなくても実現可能である。たとえ厳しい条件下であっても2020年までには少なくとも15万台から20万台の電気自動車をドイツの道路に走らせることは可能である。

電気自動車市場の発展は、旧来の自動車と比較した経済性によって大きく左右される。電気自動車がこれまでの自動車より経済的になるためには、より多くの台数が利用されるようになり、現在の高額な価格が下がり、メンテナンスコストもリーズナブルになるようにする必要がある。更に年間走行距離が少なければガソリンエンジンが将来も有利であり、逆に多い場合はディーゼルエンジンが引き続き有利ということになる。こうした運転にまつわる判断においては、電気自動車が十分にそのニーズを満たせるかどうかにかかっている。同じような日常の自動車走行サイクルで十分な年間走行距離ということであれば、電気自動車は経済的には最も有意義で従来の自動車に取って代わることができる。

調査の最終章ではエンジンの種類でその差を検討し、純粋バッテリー方式より将来大きな市場占有率(約3/4)が見込まれるRange-Extender、プラグインハイブリッド車について取り上げている。ユーザーサイドには、まだモデルの選択肢がそれほどないのに電気自動車に乗り換える、旧来の自動車よりも多くの金額を電気自動車に支払う、この二つへの用意がまだ不十分というのが現状であり、この二点は市場の将来に大きな影響力を持っている。ただしモデルの問題については、ドイツの各自動車メーカーが多数のモデルを披露する、と発言している。

調査については本文からダウンロード可能。(ドイツ語版のみ)
http://www.isi.fraunhofer.de/isi-media/docs/e/de/publikationen/Fraunhofer-ISI-Markthochlaufszenarien-Elektrofahrzeuge-Zusammenfassung.pdf

[DW編集局]