[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
国立研究機構(ANR)
元記事公開日:
2013/10/10
抄訳記事公開日:
2013/11/13

輸送に関する研究: 19件の優良プロジェクトの内3件はANRが支援

Recherche en transports : 19 projets primés à l’occasion de la conférence finale du Prédit 4, dont trois soutenus par l’ANR

本文:

国立研究機構(ANR)の2013年10月10日標記報道発表の概要は以下のとおり。

第4次地上輸送に関する研究・イノベーションプログラム(Predit)の最終会合が10月7~8日行われ、優良プロジェクト19件に賞が贈られた。ANRは様々な形の「輸送」プログラムを通して、このような研究の支援実行機関であり、受賞19件のプロジェクトの内3件がANRの支援プロジェクトである。

輸送や貨物に関しては、車両のエネルギー効率を最適化し地域汚染物質や温室効果ガスの排出を削減するため、果たすべき進歩の余地が未だ大きい。また安全面、サービスの質や利用性の面の問題処理に重点を置いた車両・輸送システムの効率改善でも進歩が期待されている。結局は持続可能な移動というのは技術イノベーション、新たなサービス、新たな実践を統合したシステマティックで分野横断的なアプローチであると考えられる。

ANRは「輸送」プログラムを通して2005年以来このような問題に関する研究の資金支援をしている。これら資金支援プログラムは地上輸送に関する研究・イノベーションプログラム(Predit)に大部分統合されている。
「Predit」はこのような研究を指示し督励する施策を連繋・調整する任務を持った省際共通基盤であり、高等教育・研究省など関連の省のほか環境・エネルギー管理庁(ADEME)、起業支援・イノベーション振興機構(OSEO)、ANRが参加している。

ANR支援プロジェクトで受賞した3件は次の通りである。

・INTERMACプロジェクト
INTERMACプロジェクトは燃焼シミュレーションの領域に関するもので、この領域におけるフランス研究界の質の高さを示す輸送プログラムの重要な一面である。実際に燃焼シミュレーション・ツールの妥当性は効率的な熱機関動力システムの開発には不可欠な前提となる。INTERMACプロジェクトはこのような環境下にあり、燃焼過程の燃焼室内での熱損失の影響(この影響は熱機関エンジンのエネルギー効率改善目的で開発される新たな構造では特に重要になる)の把握と予測のレベルで現存する欠点を補う狙いがあった。本プロジェクトの枠組において把握できた情報により新たなモデルの開発が可能となり、燃焼室の開発に使用されるシミュレーション・ツールの質をかなり向上させることができた。

・CONCIGI_HTプロジェクト
現在の鉄道牽引機関車では高圧架線から交流・直流変換が可能な変圧器を使って電力を受電する。それが電気機関車のエネルギー変換システムの重要な要素である。高圧で機能するという制約があることから重厚な要素となっている。したがってこの量や大きさを一貫した方法で小さくすると、鉄道輸送のエネルギー効率の最適化が可能なことは明らかである。それを達成する目的で実施された研究では、高圧電力環境で使用可能な電子技術に関する多くの課題に取り組むことを目標とした。その結果SiC 10kVチップをベースとした電力モジュールが欧州で初めて作成・使用された。

・SPEEDCAMプロジェクト
SPEEDCAMプロジェクトは、上下方向の信号機の画像による検出と組み込まれた地図とを組み合わせることで、運転者に現在の制限速度を知らせる運転補助機能の開発を目的とした。プロジェクトの課題は、独自の組み合わせ機構の検証、標識の検出などその他の難しい問題の解決、そしてシステムの判断を特に時間軸に沿って適切に文脈化することであった。得られた成果は数多く、その中には技術面でも市場においても実に画期的なものがある。本プロジェクトには科学的に注目すべき成果が3つある。内部の不確かな情報をディジタル地図と組み合わせることで速度を決定するシステムの実現、一眼画像により標識を認識するシステムの実現、標識や路上のマーク等から得られる情報に基づいた独自の網羅的な組み合わせシステムの実現である。

[DW編集局+JSTパリ事務所]