[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州共同体研究開発情報サービス(CORDIS)
元記事公開日:
2014/01/07
抄訳記事公開日:
2014/01/30

コンピューティングにおける欧州の専門知識・技術を市場へ

Taking European expertise in computing to market

本文:

欧州共同体研究開発情報サービス(CORDIS)の2014年1月7日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
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持続可能な成長と雇用の創出を奨励するというEUの目的を達成するには、研究成果を実現可能な技術や製品、サービスに転換することが要となる。コンピュータ・システム部門だけをとってみても、新たなアイデアを市場に導入する可能性が大いにある。だが研究部門と商業部門を結び付けるにはどうしたらよいのだろうか?

その一つの答えは、研究活動と産業界の専門知識を連携させることである。TETRACOM(Technology Transfer in Computing System=コンピューティング・システムにおける技術移転)は、FP7に基づいて欧州委員会が助成するプロジェクトで、その目的は学術界から産業界への技術移転を調整し、これを支援することである。

TETRACOMのTTP(技術移転プロジェクト)は、一般に3~12か月にわたって続けられ、総費用は10,000~200,000ユーロである。TETRACOMは最大でこの総費用の50%を賄うが、助成金の平均額は25,000ユーロと見込まれている。厳選されたシーズを短期間で産学共同よって取り組むことで、研究開発の産業化が可能になってくる。

本資金は学術界側のために限って確保されており、技術移転のパートナー資格がある産業界側は、EUまたは加盟候補国(Associated States)で事業活動を行っている、および/またはこれらの地域に物理的な事業所を有する企業に限定される。ただし、その企業で実際に協働する部署は、必ずしもこれらの国々に所在していなくてもよいこととなっている。

2013年9月に開始されたTETRACOMにより、欧州全域においてこれまで以上に大規模な技術移転を進めるための道が拓かれることが期待されている。このプロジェクトは、今後3年間で約50件のTTPに対して資金提供と支援を行い、研究者にその研究成果を商業化するためのツールを提供することを目指している。向う3年間にかけてTTPのプロポーザルの募集は3回行われる予定であり、最初の募集は2014年の序盤に実施される。この初回募集の予算は300,000ユーロである。EUは、このプロジェクトに対して合わせて200万ユーロ近くを助成する計画である。

[JSTパリ事務所]