[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
フラウンホーファー協会 システム・イノベーション研究所(ISI)
元記事公開日:
2014/02/04
抄訳記事公開日:
2014/03/05

省エネルギー建物の研究進む

Forschung für Niedrigstenenergiegebäude europaweit auf dem Vormarsch

本文:

EUが助成するプロジェクト「ENTRANZE」に関わる10の研究機関のうち、ドイツからフラウンホーファー・システムイノベーション研究所(ISI)と環境研究所が参加している。これに関してISIは概略以下のような報道発表を行った。

温室効果ガス排出量を引き下げるためには、建物の冷暖房エネルギー消費を大きく削減しなければならない。これには欧州の異なる気候帯によって様々な試みが必要となる。EUの助成プロジェクトENTRNZ(Policies to ENforce the TRAnsition to Nearly Zero-Energy buildings in Europe)では、参加パートナー10機関によって、どの国がどのような技術を所有しているか、これを市場化するにはどうすればよいのか、などが調査される。

EUの大胆な気候目標‐温室効果ガスの削減と再生可能エネルギーの利用増‐を達成するために、建物に着目するべきである。先進工業国においては全エネルギーの約40%が冷暖房に使われている。ENTRANZEプロジェクトにおいて、エネルギーを浪費せず、再生可能エネルギー源によってエネルギーを供給する省エネルギー建物に関するデータを提出することになっている。

どのような技術を使ってこの目標が達成できるのかは、立地の問題である。例えば有効な断熱法については、イタリアよりもフィンランドであり、太陽熱についてはどちらかといえば南欧において研究することが有意義となる。

ENTRANZEプロジェクトにおいては各種の気候条件を勘案しながら、政策や法律を調査研究し、分析する。これを通して、各国に適した省エネルギー建物や、再生可能エネルギーによる冷暖房の振興策に関する政治的決断を支援する。

これまでの成果は多くの出版物にまとめられている。規制措置から、各種の財政的助成策、更には市場刺激策に至る、建物の近代化に関する政治的手段が調査されている。環境研究所のVeit Bürgerはその報告書の中で、いわゆる気候課徴金制度を特にイノベーション的で、効果的と評価している。これは、建物の所有者が建物のエネルギー消費量に応じて段階的に設定された課徴金を支払う、というものである。この制度によって得た収入は、既定のエネルギー最少基準まで改善を目指す所有者を支援する助成プログラムに当てられる。

政策決定権者は、ENTRNZEの結果として分析を読むことができるだけでなく、相互に情報へアクセスすることができる。ミラノ工科大のEnd Use Efficiency Research Groupは、各種の建物の種類に応じた措置の効果予測できるようにするため、市場参加者、政治決定者、専門家のためのツールを開発した。これには気候帯、各種エネルギー料金、再生可能エネルギー世代等が含まれている。

ENTRANZEプロジェクトに関する詳細情報はこちらからアクセス可能。
http://www.entranze.eu/

[DW編集局]