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国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
フラウンホーファー協会 応用情報技術研究所(FIT)
元記事公開日:
2014/02/14
抄訳記事公開日:
2014/03/11

スマート・グリッドによる電力網負荷最適化

Optimierung Stromnetzauslastung durch SmartsGrids

本文:

EUのFP7(第7次研究基本計画)のなかでGreenCom Project(FP7 ICT-2011.6.1 Smart Energy Grids)が助成されている。結成されたコンソーシアムにはフラウンホーファー、Instituto Superiore Mario Boella、 SCS(Sensing&Control Systems, University College Cork)等が入っており、Smart Energy Management Systemを開発、実験している。ハノーバーCeBITメッセ(2014年3月)のフラウンホーファーブースでこのシステムが紹介されることになり、これに関してフラウンホーファーは概略下記のような報道発表を行った。

ドイツの電力網は、実際まだ電力消費の変化と不安定な発電への準備ができているとはいえず、エネルギー転換は完結していない。電力消費を地域的なレベルで合理的に制御できるSmartGridsであれば、キャパシティーを大きく上回るあるいは下回る送電を回避できる。GreenComプロジェクトにおいて、アカデミアと産業界の国際的パートナー機関がこうしたSamrt Energy Management Systemを実験している。このシステムが3月のCeBITで紹介される。

再生可能な発電のブーム拡大によって、日中、頻繁に電力の供給過剰となるという事態になった。太陽が輝いていると、太陽光発電設備が地域のネットワークで必要とされるより以上の電力を供給する。今ではドイツ全土に100以上の太陽光発電設備が点在している。容量を超えた発電量を他の地域に送電するためには電力網の拡大が必要となる。しかし仮に拡大できたとしても、最終的な解決とはならない。なぜなら、他にその電力を必要としているところがないからである。反対に夕方に頻発する電力消費のピーク時間もまた大きな問題である。最悪の場合、電力の需要増が電力網に過剰な負荷をかけることになる。

将来、環境に優しく、持続的に発電する太陽エネルギーや風力発電の能力を最適に利用するためには、電力の需要と供給の相互の調整を改善する必要がある。

電力網の中で消費と発電を制御するためのSmart Energy Mangement Systemでは、家庭と工場は効率的な電力メータや計測センサー等によってマイクログリッド・レベルでネットワーク化される。ほぼリアルタイムで、個々の家庭の電力消費データも、近接する再生可能エネルギーによる電力生産者の収入情報も集められ、集積、評価される。このデータを基にしてManagement Systemは、ローカルな電力網における電力の需給を4時間までの短期予測をできる状態となる。

[DW編集局]