[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
米国科学振興協会(AAAS)
元記事公開日:
2014/01/15
抄訳記事公開日:
2014/03/17

2014年歳出におけるR&D費:農務省

R&D in the FY 2014 Omnibus: U.S. Department of Agriculture

本文:

1月15日、米国科学振興協会(AAAS)は農務省(USDA)の2014年度歳出展望を発表した。直近の2014年度オムニバス歳出法案によると、USDAのR&D予算は23億ドルになるとの予測(名目ドル)。大統領の要求よりは7.9%低く、2013年度の強制削減後予算よりは7.3%増の額となった。
全体的な予算も強制削減前の2012年度の額に近い数値まで回復し、インフレ調整後でみれば2012年度よりも4.3%低い額となる予測。しかし、予算の増減は一対一で比較できるものではない。2012会計年度、USDAのR&D費は23億3100万ドル(2014年度予測では23億2500万ドル)だったが、それはバイオマスR&Dプログラムに対する必須予算の4000万ドルが含まれていたことによる。今回の歳出のポイントは下記の通り。
• 多くの研究プログラムの額は、上院が提示した金額に近いものに落ち着いた。
• 農業研究サービス(ARS)がBiocontainment LaboratoryとConsolidated Poultry Research Facilityの設計・建設に対して予算調達を提案し、この費用が建物・設備費の項目に1億5500万ドル計上されたが、上院下院ともに否決した。このプロジェクトは既存のジョージア州アセンズにあるバイオセーフティーレベル2と判断された3つの施設を改善するためのものである。連邦議会及び農務長官から指示があった調査結果によると、アセンズにある食の安全や疫病を研究する設備は近代化の必要がある。
• 農業及び食料研究イニシアィテブ(AFRI)は今後も成長を続け、上院の提案するように2012年度の予算よりも20%増える予測。
• AFRIを進める国立食料・農業研究所(NIFA)のR&D費は2012年度を下回る予測。しかし前述のように、バイオマスR&Dイニシアティブをめぐる状況が変化したため、数値を一対一で比較するのは正しくない。当該イニシアティブはUSDA、エネルギー省(DOE)及び他の機関が合同で進めており、Farm Billで定められたように数年間は必ず予算が確保される約束であったが、予算付与権限が2012年度に切れてしまった。2014年度の予算がどうなるかは現在進行中のFarm Bill交渉に左右される。下院の提案では必須ではなく任意プログラムに変更すべきとされ、上院は任意予算を認可しつつも、必須予算は確保すべきとした。
• 森林局は下院では大幅削減対象となっていたが減額は回避された。
• 現在の財政状況を鑑みると前向きな結果となったが、USDAのR&D費は比較的低い金額となった。ジョージ・W・ブッシュ政権の初期、USDAのR&D費はコンスタント・ドル(インフレの影響を排除した数値)で30億ドル近くあったが、2006会計年度以降かなり削減される傾向にある。2014年度の予測はインフレ調整後2006年比18.2%減となった。

[DW編集局]