[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
大統領府
元記事公開日:
2014/03/07
抄訳記事公開日:
2014/03/26

2015年予算教書:研究開発(2) 

The 2015 Budget: Science, Technology, and Innovation for Opportunity and Growth Science, Technology, Innovation, and STEM Education in the 2015 Budget

本文:

2015年の大統領予算案では連邦政府R&Dに1354億ドルが計上されている。2014年成立予算比17億ドル増となり、国防R&Dに695億ドル、非国防R&Dに659億ドルという配分となった。基礎・応用研究には647億ドル計上されており、前年比2億5100万ドル(0.4%)増となる。開発に対する投資は680億ドル計上され、前年比2.3%増となった。設備や機器といったR&Dインフラに対しては総額26億ドル、2014年成立予算より1億2100万ドル減額となった。主要各省庁の予算案は以下の通り。

・国立衛生研究所(NIH)は302 億ドル(前年比2億ドル増)で、ブレイン・イニシアティブに対して1億ドル、DARPA型の先端研究プログラムに3000万ドルを計上。OGSIからは9億7000万ドルの予算が追加され、ブレイン・イニシアティブやDARPA型イニシアティブのグラントを倍増させる。保健福祉省(HHS)内の他機関に対して、BioShield Special Reserve Fundが4億1500万ドルの予算を計上された。
・国立科学財団(NSF)の2015年予算案は73億ドル(前年比1%増)。雇用創出に向けて、新素材、スマートシステム、先進製造技術、ロボティクス技術などに関する多省庁間研究に2億3100万ドルを計上。バイオ経済に関する学際的研究を支援するために2900万ドル、ブレイン・イニシアティブに対して2000万ドル、サイバーインフラ・イニシアティブに対して1億2500万ドルの予算を提案している。また、官民協同のInnovation Corpsプログラムに対して2500万ドル、大学院生のフェローシップ・プログラムに3億3300万ドルを計上。機会・成長・安全保障イニシアティブ(Opportunity, Growth, and Security Initiative: OGSI)からは5億5200万ドルの追加予算が計上されている。
・国防総省(DOD)の予算はR&Dに644億ドル(前年比5億7400万ドル、0.9%増)となった。基礎・応用研究・先端技術開発からなる科学技術(S&T)プログラムには115億ドルを計上した。この予算はDARPAに対する29億ドルを含んでいる。DARPAからはブレイン・イニシアティブに対して8000万ドルの投資が提案されており、OGSIはDODのR&Dに対して21億ドルの予算を追加するとしている。
・エネルギー省(DOE)のR&D予算は123億ドル(前年比9億5000万ドル、8.4%増)となった。DOE科学局(SC)には51億ドルが割り当てられ、アメリカの競争力を高めるための基礎研究、研究インフラに費やす。エネルギー効率・再生可能エネルギー局(EERE)は23億ドルの予算を受け、再生可能エネルギー、電気自動車、次世代バイオ燃料、エネルギー効率の高い先進製造などの研究を進める。エネルギー高等研究計画局(ARPA-E)に対しては3億2500万ドルの予算が計上され、クリーンエネルギー技術開発の研究が進められる。また、天然ガスパワーシステムにおける炭素回収・貯留研究を支援するため2500万ドルが計上された。DOE内の国防関係予算としては核保有・不拡散・海軍の核推進に対して50億ドル(前年比6億1900万ドル増)が計上された。予算案の中では今後10年かけてエネルギートラストを設立し、20億ドルの予算で化石燃料に依存しない代替交通を開発することが提案された。OGSIからもDOEのクリーンエネルギープログラムに対して追加予算が提案される予定。

[DW編集局]