[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
独語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2014/05/20
抄訳記事公開日:
2014/06/09

Wendelstein 7-Xで長期的に代替エネルギーを研究

Wendelstein 7-X erforscht langfristige Energiealternative

本文:

スタラレーター型の世界最大の核融合設備がグライフスヴァルトのマックス・プランク・プラズマ物理研究所で建設され、稼働開始直前となっている。これに関して連邦教育研究(BMBF)省は概略下記のような報道発表を行った。

太陽エネルギーの発生時に核融合現象が起きている。核融合研究はこの原理に従ったもので、研究の目標はこの融合プロセスで発生するエネルギーを利用することにある。グライフスヴァルトのマックス・プランク・プラズマ物理研究所にスタラレーター型の世界最大の核融合設備が建設され、今や稼働開始直前となっている。この設備の中核は50個の超伝導磁気コイルである。この新しい研究設備は、核融合技術がエネルギー生産のオプションとなりうるか否かを初めて実証するものである。

グライフスヴァルトの完成祝典でヴァンカBMBF大臣は、「増大する世界的なエネルギー需要によって、あらゆる形態のネルギー生産の研究が必要とされている。Wendelstein 7-Xはこの種類の設備としては世界最大の施設であり、核融合技術に関する知見を大きく拡大してくれるものである。」と述べた。そこでは基礎研究はもとより、電力生産に関する新しい技術の開発も視野に入れている。

マックス・プランク・プラズマ研究所は核融合の物理的基礎研究を行っている。ミュンヘン郊外にトカマク型、バルト海沿岸のグライフスヴァルトにステラレーター型と二つのタイプを並行して稼働している世界にただ一つの研究機関である。同研究所はユーリッヒ研究センター、カールスルーエ研究センター、さらには欧州の諸大学、諸企業から支援されている。Wendelstein 7-Xのプロジェクト総額は約10億ユーロで、その70%を連邦政府が負担する。

Wendelsteinという名称は50年代に、バイエルン州南部にある山から取って命名された。これは「マッターホルン」という名前で実施された、アメリカのプリンストン・プラズマ物理研究所における昔のステラレーター実験に因んだものである。

[DW編集局]