2014年04月22日付の「中国科学報」ネット版は、中国が次世代DNAシーケンサーの試作機開発に成功したと報じた。本記事ではその概要をまとめる。

4月18日、中国科学院北京ゲノム研究所と吉林中科紫キン科学技術有限公司共催の次世代DNAシーケンサーの試作機見学シンポジウムが開かれ、中国国内におけるDNAシークエンシング分野の専門家及び利用部門に成果を展示し、一部の利用部門で試作機の無料試用を公募した。

中国市場に現在存在するすべてのハイスループットシーケンス装置と試薬は100％外国産で、その輸入額は2013年だけでも20億元を超えた。今回中国科学院ゲノム研究所等が共同開発した次世代DNAシーケンサーの試作機は、技術的には国際主流製品に匹敵する唯一の国産DNAシーケンシングシステムであり、海外の第2世代ハイスループットシーケンス装置と比べ、DNAの塩基配列をより長く読み取れる。

同DNAシーケンサーの技術水準は国際先進水準に達し、輸入設備よりコストが低い。同DNAシーケンサーの普及は、海外からの輸入に依存する局面を打破することになる。同システムは既に7件の特許と1件の実用新案を取得している。

次世代DNAシーケンサーは伝染病の予防とコントロール、バイオテロ対策、遺伝子組み換え食品検査（GMO検査）等に、有力な技術的サポートを提供できる。

[JST北京事務所]