[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
全米アカデミー
元記事公開日:
2014/05/07
抄訳記事公開日:
2014/06/16

「集中型」研究の達成による飛躍的進歩を支援し、分野横断的問題を解決するために必要な国家的調整 

National Coordination Needed to Help ’Convergent’ Research Achieve Breakthroughs and Solve Problems that Cross Disciplinary Boundaries

本文:

全米アカデミーの2014年5月7日標記報道発表の概要は以下のとおり。

生命科学、物理科学、工学等の分野の手段や知識を統合した分野横断的な集中型研究(Convergent Research)は、イノベーションを促進させ社会的課題への取り組みに役立つが、より広範囲の国家的調整が必要とされる。全米研究会議(NRC)の最近の報告書ではこう述べている。集中型科学は依然として障壁に直面しており、各分野ばらばらに従来の方法で研究を実施している研究機関に対しては行動様式の転換が要求される。

集中型科学はまた、分野横断的研究を支援し進歩を新たな成果物に転換する相互協力ネットワークの形成に依存している。報告書では研究機関や国家がこのような協力関係を支援するためにとるべき措置を特定している。

報告書では、集中型方式がイノベーションを加速し広範な課題解決に役立つ可能性のある領域を特定しているが、その中には燃料・エネルギーの新たな貯留システム、気候変動下での食料供給の安定的確保に関する世界のニーズを満たすこと、慢性疾患の新たな治療法の開発などがある。

しかしながら集中型科学に対する障壁が依然としてあり、研究機関は往々にして効果的なプログラムの策定方法についてこれといった指針を持たない。報告書は集中型研究を支援する研究機関が用いるべき戦略を特定している。共通のテーマ・問題・科学的課題に関する研究機関や研究プログラムの創設、学際的集団の能力活用、昇進や身分保証のプロセスにおける「集中型」支援の取り込みなどである。また集中型研究は学際的な思考様式を確立することで、経済学、社会学、行動科学、人文科学の研究も取り込まれる可能性がある。そうするといわゆるSTEM(科学、技術、工学、数学)教育も見直すことになる。

集中型研究を促進するには、研究機関、ファンディング機関、財団等関係機関が自ら立ち上げる集中型研究に対する障壁に対処し、その努力に対するファンディングの仕組みを拡大する必要がある。協働研究の触媒となるシード・ファンディングが実施または拡大される必要がある。

現在の間に合わせ的な集中型研究への努力を超えてこのような目標を最も効果的に達成するには、より広範な調整が必要となる、と報告書は指摘する。

集中型研究に対する国家的調整があれば、国立衛生研究所(NIH)など生物医学研究の支援機関、および国立科学財団(NSF)やエネルギー省(DOE)など物理科学研究の支援機関が協働研究の機会を確認できる共通基盤の提供が可能になる。

[DW編集局]