[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
英国研究会議協議会(RCUK)
元記事公開日:
2014/06/03
抄訳記事公開日:
2014/07/09

世界最先端の結晶構造解析施設への投資

UK invests in world's most advanced crystallography facility

本文:

医療研究会議(MRC)の2014年6月3日付標記報道発表の概要は以下のとおり。

英国は、世界最先端の結晶構造解析施設に2014~2019年の5年間で計564万ポンドの投資を行う予定である。これにより、英国の構造生物学界は、同施設の結晶構造解析技術を利用できるようになる。

出資機関はバイオテクノロジー・生物科学研究会議(BBSRC)、MRC、ウェルカムトラスト(Welcome Trust)で、出資先は独ハンブルクに建設中のヨーロッパX線自由電子レーザー(XFEL)である。

この投資により、英国の研究者は、ヨーロッパXFELでフェムト秒(1000兆分の1秒)単位での超微結晶構造解析(SFX。超高速・超解像度で生物分子構造の三次元形状を解析する最先端技術)ができるようになる。結晶学は生物の分子機構の3D構造解明に用いられており、生命体の理解を一変させてきた。新薬、抗生物質、新化学薬品・エネルギー源の開発に活用可能である。

2017年以降、ヨーロッパXFELは、新世代の結晶構造解析施設としてかつてない超高速での超微小解析を実現する施設として機能する。また、国内には、オックスフォードシャー州のダイヤモンド光源(Diamond Light Source)にSFX利用を希望する研究者の訓練用の拠点も設置される。

BBSRCのIndustrial Biotechnology and Bioenergy部門のトップである、コリン・マイルズ(Colin Miles)氏の談話:
「ヨーロッパXFELで最先端の結晶学研究が行われ、それら施設を世界トップレベルの英国の構造生物学者が利用できることは重要である。今回の投資により、英国研究者はヨーロッパXFELを利用できるようになり、結果として、この分野の先頭に立ち続けることができる。それはひいては、英国の経済・社会に資することになる。」

[DW編集局]