[本文]

国・地域名:
中国
元記事の言語:
中国語
公開機関:
中国科学報
元記事公開日:
2014/07/04
抄訳記事公開日:
2014/08/04

アルツハイマー病の発症に関わるタンパク質構造を解明

施一公小组揭示老年痴呆症致病蛋白结构

本文:

2014年07月04日付の「中国科学報」ネット版は、アルツハイマー病の発症に関わるタンパク質構造が解明されたと報じた。本記事ではその概要をまとめる。

清華大学の施一公教授の研究チームは、アルツハイマー病の発症に直接関わるγセクレターゼの詳細な3D構造を世界で初めて解明した。同成果は、γセクレターゼの働き、アルツハイマー病の発症メカニズムに重要な手がかりを提供し、関連分野の空白を埋めた。同成果は6月29日、ネイチャー誌(電子版)に掲載された。

アルツハイマー病は認知症・痴呆症とも呼ばれ、神経変性疾患に属する。臨床的には、脳内でアミロイドβタンパク質(Aβ)が凝集してアミロイド斑として沈着し、神経細胞が死滅し、認知・記憶能力が損なわれ、患者は自立生活能力を失うと表現される。

γセクレターゼは、Presenilin(PS1)、Aph-1、Pen-2、Nicastrin(NCT)という4種の膜蛋白質を基本構成因子とする高分子量の膜タンパク質複合体である。Presenilinから150 以上のアルツハイマー病と関連するアミノ酸の突然変異が確認されている。γセクレターゼの3D構造の解明は、γセクレターゼの働きと発症の原理を理解することに役立ち、アルツハイマー治療薬の研究に対して重要な方向性を提供した。

同研究は中国科学技術部、中国国家自然科学基金委員会、北京大学・清華大学生命科学研究所(CLS)の支援を受けた。

[JST北京事務所]