[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
運輸省
元記事公開日:
2014/07/15
抄訳記事公開日:
2014/08/28

英国初の宇宙基地計画に着手 

Sets out plans for the UK's first spaceport

本文:

運輸省の2014年7月15日付標記報道発表は、ロバート・グッドウィル(Robert Goodwill)運輸政務次官の講演内容を伝えているところ、概要は以下のとおり。

過去50年間の主力であった政府のロケットプログラムは、2030年までには成長する宇宙部門のニーズに見合う新しい低コストサービスと競合することになる。結果として、宇宙飛行は国家主導型の産業から民間の商業ベースの産業にますます移行していくと考えられる。商業宇宙飛行は2030年までにグローバル市場が400億ポンドになることが予想されているが、英国の航空宇宙産業はすでに目標に向かって前進しており、宇宙部門も急速に成長している。

英国宇宙局がこのほど発表した数字によると、宇宙部門は過去2年間に平均7.2%成長しており、今では英国経済に毎年113億ポンド寄与しており、全国で3万4,000人以上の雇用を有する。

政府は2030年までに4,000億ポンドの規模と予想される世界宇宙市場の10%を英国がシェアするという明確な目標を持っている。そのために重要なことは、将来必要となるインフラの土台構築を今から始めることである。英国は宇宙往還機の規制問題に厳格に取り組んでいる欧州最初の国である。英国民間航空局(Civil Aviation Authority: CAA)は、宇宙往還機の状況と開発中の技術の調査検討に基づき、一連の詳細な提言を行ってきた。

宇宙往還機は現在、大気中を通行するために揚力を使用するという理由で航空機として規制されている。しかし短期的に我々がやろうとしていることは、それらを「実験航空機」として扱うことである。その理由は、飛行が参加者の同意を得ることを原則として実行されるからである。

政府はまた、世界水準の宇宙基地に必要な施設を確保したいと考えている。CAAの提言では、既存の飛行場を必要な改造を加えて活用すべしとしている。またCAAは英国宇宙基地の立地に必要な基本的条件を特定している。陸・海・空の輸送上の連係に好都合であることが必要であると考える。CAAが特定した条件に合う宇宙基地候補地として、キャンベルタウン空港、ストーノウェー空港など8か所が挙げられている。しかし他の場所も可能性としては残されている。

政府の計画では、英国は2018年までに完全な機能を備えた宇宙基地を稼動させる予定である。これは、「Virgin Galactic」、「XCOR」、「Swiss S3」などの体験宇宙飛行会社を利用する商用宇宙飛行の先駆者たちにとっての欧州の中心地としての役割を担うことになり、その後の衛星打ち上げサービスに道を拓くことになる。また関連の技術・サービス企業を引き寄せる中心地ともなる。

本計画の実行には、運輸省のほか、ビジネス・イノベーション・技能省、国防省の3省が関与する。

[DW編集局]