[本文]

国・地域名:
中国
元記事の言語:
中国語
公開機関:
中国科学報
元記事公開日:
2014/07/31
抄訳記事公開日:
2014/09/01

ニュートリノ実験国際協力チームが正式発足

中国主导中微子实验国际合作组在京成立

本文:

2014年07月31日付の「中国科学報」ネット版は、ニュートリノ実験国際協力チームが正式発足したと報じた。本記事ではその概要をまとめる。

中国、チェコ、フランス、フィンランド、ドイツ、イタリア、ロシア、アメリカ等の国の、50余りの研究機関と大学の200人余りの科学者からなる江門地下ニュートリノ実験(JUNO)国際協力チームが30日に、北京で正式に発足した。中国科学院高能(高エネルギー)物理研究所(IHEP)の王貽芳研究員が国際協力チームのスポークスマンに選ばれた。協力チームはJUNOを通じ、ニュートリノの研究を進めていく。

2012年、中国が主宰した大亜湾原子炉ニュートリノ実験で、ニュートリノの3種類目の振動が発見され、世界の粒子物理学界から「未来のニュートリノ研究のドアを開いた」と評価された。中国人科学者はその後、ニュートリノ研究の次の重大問題「ニュートリノ質量行列」に取り組み、江門ニュートリノ実験施設建設を開始した。同施設は広東省開平市打石山の一帯を候補地とし、実験室と実験装置を地下700メートルに建設する予定である。工事は今年の年末に始まり、2019年末に竣工し、稼働を開始する見通しである。

JUNOの規模は大亜湾ニュートリノ実験の100倍以上に達し、20年以上の研究を予定している。JUNOは宇宙の神秘を明らかにし、粒子物理法則を把握し、宇宙学、天体物理学、地球物理学に重大な貢献を成し遂げる。王貽芳氏は、「中国科学院など国内外の科学基金の支援を受け、JUNOは急ピッチで進められる。JUNOは原子炉ニュートリノの性質を研究し、中国ニュートリノ物理のスタートから飛躍への移行を実現し、中国が将来的に世界トップ水準になるための基礎を築く」と説明した。

[JST北京事務所]