[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国防高等研究計画局(DARPA)
元記事公開日:
2014/08/22
抄訳記事公開日:
2014/10/09

原子から製品へ: ナノスケールの利点の等身大化を狙う

Atoms to Product: Aiming to Make Nanoscale Benefits Life-sized

本文:

国防高等研究計画局(DARPA)の2014年8月22日標記報道記事の概要は以下のとおり。

通常の材料の多くは極小スケール、つまり原子のスケールに近い大きさで製造されると、利用可能性のある異なった性質を示す。この「原子スケール」つまり「ナノスケール」の特性には、量子化された電気的特性、隙間のない接着性、温度変化の高速性、光の吸収・散乱の調節可能性などがあり、ヒトの等身大の製品やシステムで利用可能であれば、国防上の用途や商用に革命的な能力をもたらす可能性がある。しかしながらまだ克服できていない技術的課題が2つある。1つはナノスケールの特性をより大きなスケールの材料で保持する方法に関する知見が不足していること、もう1つはナノスケールと100ミクロンスケール(ヒトの髪より僅かに大きい)との間の物を組み立てる能力を欠いていることである。

DARPAは上記課題を克服する目的でA2P(Atoms to Product)プログラムを創設した。本プログラムでは原子スケール部品組み立て技術の強化開発を求める。またナノスケール特有の特性を保存・活用する方法で、これら部品をナノスケールから製品スケールに至る材料やシステムに組み込むことも目標としている。

「A2Pが成功すれば、あらゆるスケールにおいてナノスケールの特性を示す全く新種の材料を創出することが可能になる。現在の技術では小型化が不可能な材料、プロセス、デバイスを小型化する能力が得られるのみならず、3次元製品やシステムをかなり小さいサイズで作成できるようになる。このようなスケールの組み立ては本来は普通のことであって、たとえば植物や動物は生体そのものよりも百万~十億倍も小さい原子・分子スケールの成分から効果的に組み立てられたシステムである」とDARPAのプログラム・マネージャは言っている。

[DW編集局]