[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国立衛生研究所(NIH)
元記事公開日:
2014/08/27
抄訳記事公開日:
2014/10/20

NIH、ゲノムデータ共有に関する最終方針を発表

NIH issues finalized policy on genomic data sharing

本文:

国立衛生研究所(NIH)の2014年8月27日標記報道発表の概要は以下のとおり。

NIHは、(研究協力者のプライバシーを保護しつつ)データの知識、製品、ヒトの健康向上に役立つ処理法などへの早期移転を図るため、NIHのゲノムデータ共有(GDS)最終方針を発表した。本方針は、2015年1月25日受付で提出される応募案件のファンディングを始めとして、ゲノムデータを生成するプロジェクトであればヒトでもヒト以外でもNIHが助成する大規模プロジェクトすべてに適用される。これらプロジェクトには、NIHの助成や委託によって実行される研究、NIHの所内研究プログラムの枠内で実行される研究などがある。

GDS方針は2003年に完了したヒトゲノム・プロジェクトにも及ぶ。ヒトゲノム・プロジェクトではヒトゲノムの解析・配列決定に際し、迅速かつ広範なデータ公開が必要とされていた。GDS方針はゲノムワイド関連解析(GWAS)データ共有方針の拡張版であり、代替版である。2007年以降GWAS方針により、生物医学研究者のNIH遺伝子型・表現型データベース(dbGaP)を通したデータの提出・利用は管理されてきた。その2層構造のデータ配信システムでは、一部の情報やデータは制限なしに公開されているが、その他のデータの利用は制限されており、元々の調査に協力した人々の同意を得た研究目的に限り利用可能であった。GWAS方針の下では、41カ国の2200名以上の研究者が304件の研究でdbGaPにアクセスし、900件以上の論文を発表している。

GDS方針の主要原則は、研究や広範な共有を目的としたデータの非特定使用の今後の可能性について、研究者が研究協力者からインフォームド・コンセント得ることである。NIHではこのほか細胞株や臨床材料の非特定使用に関係する研究にも同様の要望をしている。

ヒト・データへのアクセス提供システムの2層構造はデータの過敏な性格に基づくものであり、GWAS方針の下で展開されたプライバシー関連対策は継続される。アクセスが制限されるデータに関しては、研究者は同意を得た研究でのみデータを使用し、データの守秘義務(許可を得ていない者とのデータ共有禁止を含む)を果たし、論文の発表や掲載においてはデータを提示した研究者を明示するよう要望される。

データを提示するいかなる機関も、そのデータが合法的・倫理的に適切な方法で収集されたものであること、名前や住所などの個人のIDは除去されていることを証明するよう、NIHは要望する。NIHのGDS方針ではまた、ファンディングへの応募・提案の一環で、GDS方針に則った基本計画を作成するよう研究者とその所属機関に要望する。

GDS方針では上記のほか次の諸点を強調している。

・研究者は今後の研究のデータ利用に関して、協力者から極力広範囲の共有許可を得ることを奨励される。
・データの提出・アクセスのスケジュールはタイムリーで広範なデータ共有を促進するものである必要があるが、その際発表するデータの生成・作成のみならず研究協力者の利益実現に向けた研究者の努力の重要性にも配慮する必要がある。
・一般的には研究者はヒト以外のゲノム・データは早期に公開利用に供する必要がある。
・NIHのGDS方針では、NIHのファンディングによるゲノム・データの使用により発明・開発された製品や技術を、公益のために極力広範囲に使用することを明示的に推奨する。

[DW編集局]