[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2014/12/02
抄訳記事公開日:
2014/12/22

電気自動車に関するナショナル・プラットフォーム(NPE)

Nationale Plattform Elektromobilität übergibt der Bundesregierung Fortschrittsbericht 2014

本文:

電気自動車ナショナル・プラットフォーム(NPE)統括委員会のカーガーマン議長が、メルケル首相にNPEの進捗報告書2014年版を提出した。これに関して連邦教育研究省(BMBF)は概略下記の様な報道発表を行った。

NPEは、市場投入前の準備フェーズ(2010-2014年)を終えた。本格的な実用化に向けた次のフェーズ(2015-2017年)に関して、ドイツが電気自動車の主要サプライヤーとして世界市場を牽引するために、2020年までに達成すべき目標とその方法を同報告に記している。連邦政府はNPEの勧告を受けて、市場の進展を引き続き見守り、条件の整備を担う。2014年9月に電気自動車法を閣議決定し、これによって地方自治体は今後、電気自動車優遇施策をどう運用するかを決定することができるようになった。例えば、電気自動車の無料駐車場整備や、特別な地域への乗り入れ許可である。

NPEは同報告の中で、ドイツが電気自動車の分野で順調に国際的な競争力をつけてきていることを確認している。連邦政府のこれまでの戦略は、市場準備フェーズでの研究開発の助成、規格化・標準化、人材育成と資格取得に集中するというものであった。NPEの見解によると、これらが正しく機能したことが証明されている。

ガブリエル連邦経済エネルギー大臣は、「ドイツが環境に優しい電気自動車で、研究と技術の拠点としてだけでなく、生産拠点として確立され、今後も発展することが重要である。引続き、産官ともに充電に関するインフラ整備を前進させていく所存である。連邦経済エネルギー省は、充電スタンドの安全性、相互運用性、ネットワーク化のために必要な法整備を図っていく」と発言。

連邦交通・デジタル・社会資本省のドブリント大臣は、「今年度末までに、電気自動車を17モデル市場に送り出し、来年はさらに12モデルが加わる予定だ。今や、本格的な市場化の段階が始まっている。電気自動車法によって消費者の購買行動に刺激を与えたといえる。今後は、充電インフラの整備拡大が主となる。長距離走行試験のため、高速道A9にテスト区間を設けている。高速充電ステーションによる基幹充電ネットワークの構築を目指し、全国の高速網(アウトバーン)では400のサービスエリアに400か所の充電スポットを整備する。将来的には電気乗車で北海からドイツ最南部オーストリア国境の町、ツークシュピッツェまで走行できるようにする。」

連邦教育研究省ヴァンカ大臣は、「電気乗車の主要サプライヤーとして、電池の生産まで含めて考えなければならない。研究開発では既に高いレベルを達成しており、バーデンヴルテンブルグ州ウルムに設けられた施設では、広く民間企業が参加して実証実験が行われている。これからは商業ベースの電気自動車生産の段階に移る。」

NPEは今後も活動を続け、連邦政府は2015年夏にベルリンで電気自動車に関する大きな全国会議を開催する。

[DW編集局]