[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
ビジネス・イノベーション・技能省(BIS)
元記事公開日:
2014/11/06
抄訳記事公開日:
2014/12/25

「デジタル・カタパルト・センター」、キングズ・クロス(ロンドン)に新規開設

Digital Catapult: the opening of a new national centre in Kings Cross

本文:

ビジネス・イノベーション・技能省(BIS)の2014年11月6日付標記報道では、キングズ・クロスの「デジタル・カタパルト・センター」開設に際してのエド・バイゼイ(Ed Vaizey)BIS/デジタル産業担当大臣の講演内容を伝えている。概要は以下のとおり。

英国首相は2010年、実業界、学術界、研究界、政府間の溝を埋めてアイデアを現実に変えるべく、カタパルト・ネットワークのネットワーク構築を表明した。デジタル・カタパルトは、(既存の)7分野のカタパルト・ネットワークを支える1つのネットワークとして、英国の優れたデジタル・アイデアが迅速に商業化に至るための手助けとなる。

デジタル・カタパルト・センターは、実業界、学術界の技術者やクリエイティブな才能のある人々が協力して新しいアイデアを開発し、その成果を英国及び世界に向けて披露する場となるだろう。同センターは、英国のデジタル業界が迅速かつ低リスクでイノベーションを遂行し、その結果、新製品や新サービスがより早く市場に出回ることを可能にする。しかし、このデジタル・カタパルトの最も重要な機能は、大企業、新興・中小企業、研究・学術界、Innovate UKとそこで働く専門家など、デジタル経済の成功に関心ある様々なパートナー達を一体化することである。

※上記の趣旨は政府の「デジタル・カタパルト」構想(http://www.digitalcatapultcentre.org.uk/digital-catapult/vision/)にも記されている。本構想では、データのバリュー・チェーンに着目し、共有財産たるデータのポテンシャルを、適切、迅速かつ信頼できる方法で引き出すため、次の4つの課題をイノベーターが克服し実現できるよう支援している。

・多様なデータ・コンテンツ集合の構築
・コンテンツの再利用、まずは使用許諾問題の除去
・個人データ利用における信頼性の確保
・物のインターネット: データの革新的結合から次世代の接続方式へ

※本構想には、デジタル・カタパルトが2018年までに3億6,500万ポンドの経済収益増を生み、英国内の1万もの経営組織に改善効果をもたらすという目的がある。

[地方のデジタル・センター]

最近の報告によると英国には30か所以上のデジタル・イノベーション・クラスターが存在するとされている。地方のデジタル・カタパルト・センターの第1波として、ブライトン、ブラッドフォード、サンダーランドの3か所にセンターの開設が計画されている。これらの地方センターはすべて(地方自治体と企業の間の連携組織である)Local Enterprise Partnerships (LEPs)による出資を受ける。ブライトン・センターは「物のインターネット」の発展に関わるデータの価値と重要性に焦点を置いている。ブラッドフォード・センターは、デジタル医療イノベーションを牽引し新たな医療製品や医療サービスを開発する中小企業を支援する。サンダーランド・センターは、公共サービスや企業の事業遂行の向上を図るため、組織内部のデータを安全に共有することに焦点を当てている。

[TechNorth]

英国副首相が2014年10月、「TecNorth」の創設を発表した。これは「Tech City UK」の一環で、マンチェスター、リーズ、シェフィールド、リバプール及び北東の技術クラスターにおける既存のデジタル技術の専門知識を統合するものである。

[DW編集局]