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国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2014/12/29
抄訳記事公開日:
2015/01/16

数字で見る2014年の教育研究

Das Bildungs- und Forschungsjahr 2014 in Zahlen

本文:

連邦教育研究省(BMBF)は、2014年を振り返り、概略以下のような報道発表を行った。

2014/15冬学期にドイツ国内の大学には、270万人の学生が在籍している。これは史上最高の数字で、過去10年だけでも学生数は30%以上増加している。一方で大学進学者数は498,900名と前年度とくらべ若干減少している。

連邦と州政府は、高等教育協定の第3フェーズ(2016-2020年)に250億ユーロを投資する。2007年から実施されている同協定で、政府は大学進学者1名あたり26,000ユーロを拠出する計算になる。

連邦奨学金法(BaföG)における育英資金最高額が2016年夏に670ユーロから735ユーロへと引き上げられる。2015年1月から連邦政府は連邦奨学金法の州負担分を肩代わりし、州政府は約12億ユーロの負担軽減を受けることになる。軽減された資金は大学へと投資されることになる。

ドイツの大学は19,740件のドイツ奨学金(2013年)を支給した。これは前年度に比べ約5,844件、42%の増加となっている。企業、財団、私的支援者はこのプログラムのため約2,100万ユーロを支出。支援者が月額300ユーロの半額である150ユーロを負担、残り半額は連邦政府が負担する仕組み。大学生向けの連邦政府による奨学金の1/3強がドイツ奨学金ということになる。

EUのErasmus+プログラムによって2020年までに欧州では400万人強がその助成対象となる。同プログラムはEUの様々な教育プログラムをまとめるもので、ドイツだけでも275,000人の学生、15万人の教育訓練生、13万人の若者に外国での滞在を可能にしている。

2014年7月から2017年12月までに28万件の教育奨励クーポンが発行されている。同制度によってBMBFは職業再教育を望む被用者を助成するもの。連邦は満25歳に達した就業者を助成し、最高1,000ユーロの授業料の半額を負担する。対象は、特に財政的な理由で再教育を受けられない者である。

2014年までに職業的キャリア向上継続教育(マイスターコースあるいは、同等の継続教育修了資格の準備を行う教育課程)の助成のため投入された額は54億ユーロとなっている。「マイスタ‐連邦奨学金」は職業的資格の向上、拡大を支援し、合わせて専門後継人材の継続教育へのモチベーションを高めるもの。

連邦統計庁の2014年教育財政報告によると連邦、州、地方自治体は教育への支出1,200億ユーロを予定している。連邦政府分だけでも2008年度の数字を60%強上回っている。

シュテファン・ヘルが開発した超高解像度の蛍光顕微鏡により人間の髪の毛の2,000倍の細かさの構造を調べることができる。この画期的な発見は特に癌研究に応用が期待され、その功績によりゲッティンゲンのヘル マックス・プランク生物物理化学研究所所長は昨年ノーベル化学賞を受賞した。

連邦政府の新ハイテク戦略が、社会と将来の成長を決定づける以下6つの研究分野を発表した。デジタル経済・社会、持続可能な経済及びエネルギー、イノベーションン的な労働界、健康な生活、インテリジェント・モビリティ、セキュリティ。新ハイテク戦略の目標は、創造的なアイディアから具体的なイノベーションを達成すること、そしてこれによって雇用を創出することである。

11月ヴァンカBMBF大臣が引き渡した新しい極地探査船SONNEは長さ116m、幅20.6mである。乗員35名に加え、科学者40名が乗船可能。同船のコストは1億2,440万ユーロ。

[DW編集局]