[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
国民教育・高等教育・研究省(MENESR)
元記事公開日:
2014/12/17
抄訳記事公開日:
2015/01/19

第2回「欧州の星」賞授与式におけるフィオラゾ大臣の講演

2e édition des Etoiles de l'Europe

本文:

国民教育・高等教育・研究省の2014年12月17日標記発表記事によると、欧州の枠組で実施される優れた研究プロジェクトの成果を活用する目的の第2回「欧州の星」賞授与式に際し、フィオラゾ高等教育・研究担当大臣は講演の中で「研究の欧州(Europe de la recherche)」構築におけるフランスの決定的役割を強調した。概要は以下のとおり。

新しい打ち上げロケット「アリアンヌ6号」の開発に関する欧州宇宙関係者の一致結束した決定のニュースは、欧州が声を一つにすることによる欧州の一貫性と欧州の力を示している。ロケット産業における競争力のある将来を確保する欧州の決定は、戦略的セクターにおける国際競争に対する強力な対応を可能にし、欧州の産業とそれに関連する雇用にとっては欧州の主権確保になる。

我々が直面する課題(医療、気候変動、資源管理など)は多面的で複雑ではあるが力を結集できるものであり、欧州の次元でこそ投資すべきものである。

フランスは数ヶ月前から欧州における成長、雇用、投資の振興に向けた行動をしてきた。大型投資計画に3000億ユーロを充てるというユンカー・プラン(ユンカー欧州委員会委員長が発表した投資計画)は、フランスにとっても欧州にとっても好機と捉えるべきである。

研究とイノベーションは持続的経済成長にとって必要不可欠な手段である。欧州は研究・イノベーション向けの投資領域で野心的な目標を定めている。とりわけ「Europe 2020」戦略の枠組においては、2020年を目標に研究開発に対する投資の割合をEUのGDPの3%に持っていくことが謳われている。

フランスは欧州の研究推進国の1つであり、研究発表論文数においては欧州で第3位にある。欧州研究領域委員会(ERAC)など欧州の研究組織には積極的に参加しており、関係する研究テーマの欧州会議にはすべて出席している。しかしながらフランスの研究チームは欧州のプロジェクトにおける存在感がまだ十分でない。

フランスは第7次欧州研究・技術開発枠組プログラムの予算の16.6%を負担しており、これは年当たりの平均で64億ユーロになる。その見返りはと言うと、フランスは資金支援額の11.3%しか獲得していない。この状況はここ15年間さらに続けて悪化している。フランスが欧州枠組プログラムに投入した1ユーロに対して、フランスの研究チームに戻ってくるのは0.7ユーロ未満である。したがってこの間にフランスは年当たり3億4400万ユーロを紛失したことになる。「Horizon 2020」の第1次公募に関連する結果の数字も同様の経緯を辿っているようである。38件の第1次提案公募で認められた資金支援の内、フランスは9.4%しか獲得していない。しかし達成率に関して言えば、第7次欧州枠組プログラム同様「Horizon 2020」に関しても欧州第2位の国である。公募への参加率があまりに低いことが問題で、ドイツや英国の13%に対してフランスは8%である。「Horizon 2020」の最初の数字ではフランスは参加要請国としては5番目である。

欧州基金によるフランス研究者の業績や研究を促進するべく、いくつかの提案が検討されている。すでに、フランスの資金支援と欧州の資金支援との間で「競合」が生じないように、国と欧州のプログラム構成の最適化に取り組んでいる。欧州プロジェクトでのフランス研究チームを支援する新たな国家的施策を実施する。

[DW編集局+JSTパリ事務所]