[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
大統領府
元記事公開日:
2015/01/20
抄訳記事公開日:
2015/01/23

オバマ大統領の2015年一般教書演説

Remarks by the President in State of the Union Address | January 20, 2015

本文:

2015年1月20日、オバマ大統領は「中間層重視の経済(Middle Class Economics)」というコンセプトを中心に据えつつ一般教書演説を行った。ここでは、その中から科学技術・イノベーションに関連の深い事項を抜粋要約して列挙する。

・今後10年先には求人3件の内2件が何らかの高等教育を必要とする。しかし優秀かつ努力家の米国人のあまりにも多くが、必要とする教育に手が届かないでいる。このため、コミュニティ・カレッジの学費をゼロにする計画(大学生の40%はコミュニティ・カレッジの学生である)を議会に提出する。
・21世紀の事業には21世紀のインフラ(近代的な港、より強力な橋、より高速の列車、最速のインターネットなど)が必要である。米国内に投資する企業を優遇するためにも国内インフラを再整備する必要がある。
・21世紀のビジネスは米国の科学技術・研究開発に大きく依存する。新しい時代の医療を主導する米国、適切な時点で適切な治療の出来る米国を望むことから、精密医療イニシアティブ(Precision Medicine Initiative)を発足させる。これにより、がんや糖尿病などの病気の治癒を我々のより身近なものとし、我々自身とその家族の健康維持に必要な個別化情報に我々自身がアクセスできるようにする。
・自由でオープンなインターネットを保護し、あらゆる教室やコミュニティにその範囲を拡大して、次世代のディジタル・イノベータや起業家が引き続き世界を変革する共通基盤を持てるような最高速ネットワークの構築を支援する。
・米国の宇宙飛行士を火星に送るという再活性化した宇宙プログラムの一環として、先月(2014年12月)新たな宇宙探査機を打ち上げた。今後2ヶ月以内には、このようなミッションに備えるため、スコット・ケリー氏が1年間の宇宙滞在を開始する。
・西アフリカで発生したエボラ出血熱に関しては、これまでの教訓を生かして、今後の感染拡大防止などに向け、世界規模でより効果的に努力を行う必要がある。
・過去6年間に渡って、エネルギーの生産方法からその使用方法に至るまで、これまでにない気候変動対策を実施してきた。時計の針を戻してはいけない。米国のリーダーシップが国際的な行動を牽引することを確実にすることを決意する。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]