[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国防高等研究計画局(DARPA)
元記事公開日:
2015/03/11
抄訳記事公開日:
2015/05/08

技術によってオンライン・プライバシーの確保を狙うDARPA「ブランダイス」プログラム

DARPA “Brandeis” Program Aims to Ensure Online Privacy Through Technology

本文:

2015年3月11日付けの国防高等研究計画局(DARPA)による発表記事の概要は以下のとおりである。

DARPAはこのほど、責任をもって管理することが難しいデバイスやデータの急増に伴い、ネット社会が直面している最も厄介な問題の一つであるオンライン・プライバシーに関してツールの研究開発を行う計画を発表した。標記の新規プログラムは、ハーバード法科大学院の学生時代に大学の法学紀要で「プライバシー権」の概念を展開したルイス・ブランダイス元合衆国最高裁判事の名をとったものである。本プログラムでは、利用者の理解と協力により、「家族や友人が同意した写真の共有に限る」など目的、受容可能なリスク、意図した利益を反映した簡単な意思表明によって、各々のシステムやサイバー空間におけるデータを制御できる方法の開発を求める。

既存の個人情報保護の手段は、大きく2つのカテゴリーに分けられる。情報源においてデータのリリースを篩にかける方法か、またはデータ利用者による真摯な保護環境の整備を信頼する方法である。現在、データの集合や記録から個人の名前や識別情報を除外するなど情報源でのデータのフィルタリングはますます効果を失いつつある。アルゴリズムの向上により、編集済みのデータと公開情報との相互相関分析を行うことで個人を再特定できるためである。一方、データ収集機関やデータの受信者が蓄積したデータを良心的に保護するのを信頼することも難しい状況にある。過去数ヶ月の間でさえ、8000万件もの社会保障番号が医療保険会社から盗まれているなどの状況がある。「ブランダイス」プログラムでは、安全で予測可能なデータ共有を可能とし、一方でプライバシーは確実に保持するという第3のオプションの構築を狙う。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]