2015年5月6日付の「中国科学報」ネット版は、「中国財政部と国家自然科学基金委員会(NSFC)が『国家自然科学基金資金援助プロジェクトに関する管理方法』を発表した」と報じた。本記事ではその概要をまとめる。

中国財政部、国家自然科学基金委員会(NSFC)はこのほど、国家自然科学基金資金援助プロジェクトの管理を規範化し、中国の基礎研究·先端科学研究を促進するために、「国家自然科学基金資金援助プロジェクトに関する管理方法」を改訂·発表した。

新管理方法は、「国家傑出青年科学基金資金援助プロジェクト経費に関する管理方法」と「国家自然科学基金資金援助プロジェクト経費に関する管理方法」を統合し、「資金管理方法」を改訂·制定して、国家自然科学基金資金援助による各種プロジェクト（青年科学基金プロジェクト·一般プログラム·重点プログラム·重大プログラム·重大研究計画）に適用する。

同管理方法の改訂の背景·重点等の状況について、財政部教育·科学·文化司、国家自然科学基金委員会·財務局の関連責任者は以下のように解説した。
一、科学研究資金援助は、順調に進められている。

1.近年国家自然科学基金に対する中央財政の資金投入は大幅に増加し、2002年からの年平均増加率は21%に達し、研究プロジェクト·人材プロジェクト·環境条件プロジェクトの資金援助モデルを形成している。

2.新しく改訂·制定された管理方法は、更なる資金管理の改善·強化に向けての新たな要求を提示し、今後の自然科学基金資金援助の使用·管理の重要な指針となる。

二、資金の使用について、一層科学研究の規則に合致させる。

1.プロジェクト資金を直接経費、間接経費に分けて、プロジェクトにおける間接コストの補償メカニズムを構築する。

2.労務費の支出の範囲を拡大し、労務費割合の制限を取り消す。

3.資金の残高管理を強化する。

4.プロジェクトへの資金援助の方式を更に改善する。「資金管理方法」は、各類の科学研究プロジェクトに対する定額補助とコスト補償の資金援助方式を採用する。

三、資金の使用を更に高効率化·透明化させる。

1.プロジェクト資金使用の制限条件を適宜に緩める。

2.プロジェクト資金使用の監督·管理を強化し、評価メカニズム、信用メカニズム、透明性メカニズム等の一連の新たな措置を公布する。

関連部局の責任者は、「新たな改訂·制定された管理方法が大きな影響と波及力を持つ改革措置である。財政部、国家自然科学基金委員会が共同で、間接費用の政策、委託機関の信用評価体系、資金の情報公開メカニズム等を重点に置いて実施する」と表明した。

[JST北京事務所]