[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
報道センター
元記事公開日:
2015/05/19
抄訳記事公開日:
2015/06/15

よりよい規制に向けた議題:透明性を増した、よりよいEU法の策定に向けて

Better Regulation Agenda: Enhancing transparency and scrutiny for better EU law-making

本文:

欧州委員会は、2015年5月19日に標題の記事を発表した。以下にその概要を紹介する。
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同日、欧州委員会は「よりよい規制に向けた議題(Better Regulation Agenda)」の採択を発表した。この、すべての政策サイクルを対象とした包括的な改革パッケージにより、EUの意思決定プロセスの公開性と透明性を高めるとともに、法案作成とその修正に対するよりよい影響評価を通じて新しい法律の質を改善することができ、さらに既存のEU法の継続的かつ一貫性のある見直しが促進される。これにより、EUの法律が、最も効果的かつ効率的な形でその目的を達成することが期待される。

この改革パッケージは欧州委員会による法律案の準備や評価に適用されるとともに、それは欧州理事会や欧州連合理事会との協力を通じて適用される。そのために、欧州委員会は現在、欧州理事会および欧州連合理事会とともに、よりよい立法に向けた新たな機関間合意(IIA)に対する交渉を開始しようとしている。

「よりよい規制に向けた議題」のポイントは、以下のとおりである。

•より高い透明性と意見募集
 欧州委員会は、その取り組みの過程を追うことのできるウェブポータルや新たな意見募集を通じて、政策過程をよりオープンなものにする。そこでは、政策過程全般を通じて新たなコメントの機会が与えられるとともに、欧州委員会が法案を採択した際には、8週間のフィードバック機関が設けられる。

•既存の法律を継続的に点検する
既存のEU法を、より効果的かつ効率的にすることを目的とした「規制の適合性および実効性評価プログラム(REFIT)」を強化する。たとえば、付加価値税制や公共調達などの領域において、不必要な規制を撤廃する。

•よりよい影響評価と質の維持
欧州委員会は、全ての法案に対してそのエビデンスの基盤を改善するためにその影響評価を強化する。特に、2006年に導入された欧州委員会内の影響評価委員会を、独立した「規制監視委員会」という形に改革し、権限を強化する。

•EUの機関による遵守を促す新しい機関間合意
欧州委員会は、よりよい立法に向けた新たな機関間合意の案を欧州理事会と欧州連合理事会に対し提出し、2015年末までの合意を目指している。その案には、REFITプログラムへのコミットメント、立法過程を通じた影響評価プロセス、EU規制の継続的な実効性モニタリング、統一的な単年・複数年計画などの項目が含まれている。

[DW編集局]