[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
フラウンホーファー協会 応用固体物理研究所(IAF)
元記事公開日:
2015/05/22
抄訳記事公開日:
2015/06/18

インダストリー 4.0 のためのセンサー

Kooperationsprojekt: Sensoren für Industrie 4.0

本文:

フラウンホーファー・応用固体物理研究所(IAF)とバーデン・ヴュルテンベルクデュアルシステム大学(DHBW、Duale Hochschule Baden –Württemberg)はインダストリー 4.0のための安価なセンサーシステムを共同で開発する。これに関してIAFは概略下記のような報道発表を行った。

フラウンホーファー協会はIAFとDHBWのインダストリー 4.0向けセンサーシステム共同開発を総額120万ユーロで助成する。シュミット バーデン・ヴュルテンベルク州財政経済大臣はIAFを訪問し、両研究所の協力を歓迎した。

シュミット大臣は「この計画はバーデン・ヴュルテンベルク州政府が掲げるインダストリー 4.0のリーディング・サプライヤーになるという目標に大きく寄与するものにとなる」と語った。IAFとDHBWは共同で生産ラインのコントロール、セキュリティー、制御のためのセンサーシステムを開発する。これにより特に同地域の中小企業をインダストリー 4.0に向けて支援するものである。

DHBWは産業界と密接に協力している。全学生は学業と同時に産業界で働いているからである。一方IAFは化合物半導体をベースとしたマイクロエレクトロニクスとセンサーの領域における最先端の研究所の一つである。IAFの所長アンバッハー教授は「インダストリー 4.0を共同で前進させるため両研究所の専門家とインフラを結束させていき、バーデン=ヴュルテンベルクにおける将来の生産のための原動力となりたい」と語った。

インダストリー 4.0のためのセンサー
将来のスマート生産にとって高感度のセンサーシステムは重要な前提条件である。DHBWのシュタインハーゲン教授の指導の下、地域企業との密接な協力で安価なセンサーシステムが開発される。研究重点の一つとなるのがレーダーセンサーで、これは熱、煙、霧等の極限的生産条件においても信頼性のある距離測定を可能にする。更に将来の生産プロセスにおいて表面の不純物をレーザーセンサーによってコントロールできるものでなければならない。

地域のセンサー技術研究の強化
ガイルスドェルファーDHBW学長は「IAFとの協力はDHBWにとって研究を更に拡充させるための重要なステップである。この領域における各種の教育・研究プロジェクトはもとより、統合化エンジニアリング等の新しいマスター課程においても発展させていく。この協力はこうした目標設定において大きな助けとなるものである」と語り、この共同プロジェクトを歓迎している。

シュタインハーゲン教授はIAFの「センサーシステム」グループを統括する予定である。同教授は1966年高速データ転送用レーザーダイオードによって学位を取得している。IAFで高周波回路の研究を数年行った後、2001年にDHBWのエレクトロニクス技術の教授となった。教授は「いずれの研究所もよく知っていますので、両者の能力を利用できることを嬉しく思います。地域でのセンサー領域の研究開発をしっかりと強化することができます」と語った。

フラウンホーファー協会の「専門大学協力プログラム」は連邦及び州の資金によってファンデイングされる。資金は専門大学の教授がフラウンホーファー協会の研究所でその地域のインフラを使用して研究を行えるようにするものである。地域企業との密接な協力は企業のニーズに応じた研究開発の方向づけを確固としたものにする。DHBWの学生はIAFの実験室、機器等のインフラを利用することができる。

[DW編集局]