[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
報道センター
元記事公開日:
2015/06/23
抄訳記事公開日:
2015/07/22

コペルニクスの第2号衛星は市民と企業のためのサービスを強化する

Second Copernicus satellite reinforces services for citizens and businesses

本文:

欧州委員会は、2015年6月23日に標題の記事を発表した。以下にその概要を紹介する。
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欧州地球観測計画「コペルニクス」は、環境災害への取り組み、農林業における土地活用の向上、緊急事態への対応に関して、更なる前進を実現している。

「コペルニクス」の第1号衛星「センチネル1」の打ち上げ成功から1年後、欧州中央標準時の6月23日(火)午前3時52分に、フランス領ギアナにある欧州スペースポートから第2号衛星「センチネル2」が、無事軌道に打ち上げられた。

「センチネル2」の打ち上げは、欧州の技術と産業における優位性がもたらしたものであり、地球の観測情報に関する新たな世界基準構築に向けた道筋を示すものである。「コペルニクス」が提供する無料で自由に利用可能な情報は、衛星を活用した製品やサービスに関する市場を既に創造しており、また、経済へのスピルオーバー効果とともに、高い技能を必要とする雇用を生み出している。

第2号衛星の追加は、高レベルの詳細及び正確性を伴う地球の土地利用の変化に関する画像を、「コペルニクス」が提供することを可能とする。「コペルニクス」が提供する情報は、環境及び天然資源の管理・保護、気候変動への取り組み、民間の安全性確保のために活用可能であり、市民と企業はその情報を無償で自由に利用することが出来る。「センチネル2」が提供する情報は、生育期における植生と栽培状況の変化を、農業経営者が監視することを支援する。「コペルニクス」が提供する情報は、それが人為的な事故又は洪水や地滑り等の自然災害であるかにかかわらず、緊急事態への対処を支援する。ネパールで最近発生した地震において、「コペルニクス」の衛星により地震発生前後に撮影された画像は、地元の救済活動における資源配分の決定を支援した。

<背景>
欧州の技術と産業における優位性と欧州委員会、欧州議会、欧州加盟国、欧州宇宙機関の共同の努力によって、「コペルニクス」計画は実現した。

「コペルニクス」は、新たな雇用とビジネスチャンスの創出を支援する。既に今日において、宇宙活動は、衛星を活用した製品やサービスに関する市場の成長を促進している。「コペルニクス」により提供されるサービスや情報の活用を通じて様々なビジネスモデルが創造されており、それらのビジネスモデルは、革新的な企業家が新たなアプリケーションやサービスを生み出すための下地となっている。

宇宙産業に加えて、輸送、石油とガス、保険、農業等の多数の経済セグメントが、正確で信頼性の高い地球の観測情報の恩恵を得ることが見込まれる。

2021年までに6つの衛星の打ち上げを予定する「コペルニクス」は、2030年までに、欧州において約300億ユーロの経済利益と約5万の雇用を創出することが見込まれると、複数の調査は示している。

さらに、「コペルニクス」により提供される情報やサービスを自由に活用できる環境は、市民、企業、研究者、政策決定者が環境側面をふまえた活動や意思決定を行うことを支援する。

[DW編集局]