[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国防高等研究計画局(DARPA)
元記事公開日:
2015/05/22
抄訳記事公開日:
2015/07/22

光子に含まれる未利用の情報に光を当てる

Shedding Light on Untapped Information in Photons

本文:

REVEALプログラムに関する2015年5月22日付の国防高等研究計画局(DARPA)による発表記事の概要は以下のとおりである。

DARPAの活動性ライトフィールドの開拓による視界の革命的強化(Revolutionary Enhancement of Visibility by Exploiting Active Light-fields, REVEAL)プログラムは、光子が持つ既存のイメージングシステムが対象としない情報を活用しようとする。つまり、既存の方法では見落としていた、光が運ぶ追加的な情報を活用するわけである。プログラムの目標は複合的なシーンから最大限に情報を取り出せる様にするための包括的な理論的枠組みを構築することである。また、この理論的枠組みにより、イメージングのためのハードウェア・ソフトウェア技術を開発することも目的とする。さらに、このプログラムでは、単一の視点から3Dシーンを再合成する課題を通じ、構築された理論的枠組みの限界と新たなイメージング技術の機能性についてのテストを行う。本プログラムによる3D化の手法は、複数の視点が必要ではないという点で既存の手法と異なる。

光が劣化された形で持ち運んでいるかも知れない情報を解読する能力は、たとえば部隊の状況認識を高める可能性がある。すなわち、視線上には見えない物やヒトを含む複雑なシーンを、単一の視点から再現できる可能性がある。たとえば、自動車やコンクリート障壁の背後に隠れている敵を、その背後にあるレンガ壁から得られる情報で見つけられるようになるかもしれない。

第二の潜在的応用分野としては、至近距離での、あるいは物理的な検査に伴う潜在的な危険性を回避しつつ未知の物質の組成やその他の性質を安全な距離から測定することがある。物質との相互作用により光子が持ち運ぶ情報に基づき、未来の軍隊では放射能、生物学的又は化学的脅威やカモフラージュされた標的を、現在可能な地点よりも遥かに遠くから特定する事が可能となるかも知れない。

REVEALプログラムは2つの24ヶ月の段階から構成されている。第一段階では重要な概念とアプローチを検証するために単一視点によるシーン再現の本質的な限界をラボでの実験を通して究明する。第二段階では実際的な照明条件下での完全な3Dシーンの再現の試験と評価をする予定で、光の多自由度を利用する全般的な理論的枠組みを開発する。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]