[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
米国科学振興協会(AAAS)
元記事公開日:
2015/06/01
抄訳記事公開日:
2015/07/24

米国最高データ科学責任者Patil 氏、生活の改善にデータ活用

U.S. Chief Data Scientist Says Data Will Improve Life

本文:

2015年6月1日付の米国科学振興協会(AAAS)による発表記事の概要は以下のとおりである

2月に大統領行政府(EOP)の科学技術政策局(OSTP)に加わった米国初の米最高データ科学責任者(US Chief Data Scientist)に就任したD J. Patil氏は、5月1日に開催された科学技術政策に関する2015年フォーラムで次のように述べている。

・データの大規模な展開は素晴らしい成果をもたらす。例えば、連邦政府の手中に有っては、癌治療を改善したり、市民ハッカーが刺激的な新たな見識やアプリを構築するのを激励したり、又身近なところでは雨が何時降るかを知らせてくれるなどである。或いは政策立案者には多くのより良いデータに基づいた決定を下す権限を与えてくれる。

・過去6年間は、政府のデータとそれらを活用する革新的な手法に対して史上空前の需要成長が認められた時期である。昨今の技術の進歩により、新しい方式によりデータが政府に届く様になった。如何にこれらのデータを責任もって国民に返せるか、そして如何にこれらを知恵に転換できるか。データの倫理的使用の問題では思案し、政府は責任もってデータを使用する事を望んでいる。我々はデータを使ってできるからと言って、必ずしもそれを実行すべきとは意味しない時代に突入しつつある。

・政権にとって最優先の分野は精密医療(precision medicine)である。この分野では個人の全てのゲノム情報、センサー(感知器)からのデータ及びその他の保健医療情報を活用して健康と個別介護の観点からより良い成果を得る事ができる。

・第二の重点分野はオープンデータ化計画である。オープンデータとは、例えばURLのdata.gov(https://www.data.gov/open-gov/)に具現化されている様に、市民の参加、協調並びに政府における透明性に拍車を掛けるために、膨大なデータに対する無料の公共アクセス権を与える事によって政府の公開に対する取り組みの姿勢を表す。協調して集団で構築する事ができる生態系を創設する事が必要である。

・第三は、データに基づいた決定を増やすためには如何により多くのデータを政府に取り込むか、そして競争力の優位性を保つためにはそれをどの様に活用していくか?の課題がある。

・優先順位の第四は社会的正義と法の執行である。データをふらちな目的に使用する可能性は衆知のところだが学生データの安全性保証、警察を支援するためのデータの活用方法の模索、そして政府の透明性と説明責任を含む様々なデータの各領域における役割が有る。

・データの倫理についての問題提起:人々に権限を委譲しながら且つ同時に責任を持って物事に取り組んでいる事を確実にする政策を、実行している事をどのようにしたら確認できるか?全員に考えてほしい。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]