英国財務省の2015年7月13日付標記発表記事の概要は以下のとおり。

ジョージ・オズボーン（George Osborne）財務大臣は7月13日、新設の「医療技術カタパルト」では英国トップレベルの企業、科学者、臨床医、エンジニアが肩を並べて仕事をすることになる旨発表した。オズボーン大臣はチェシャー州の製薬企業Redx社視察の際に、科学・イノベーションを北部パワーハウス建設の中核に位置づける計画をさらに進め、当該地域のアルダリー・パークにある最先端施設のポテンシャルを最大限活用できるようにするとした。

市場にアイデアをもたらすスタートアップ起業を支援する目的で企業と研究者を一体化しようとするカタパルト・センターは、2011年に開始された。アルダリー・パークにはこの医療技術の領域において研究機関、大学、企業との強力なつながりがあり、それが前臨床医療技術の開発にとって理想的な環境を生み出している。今回、2015～2016年の期間に500万ポンドのファンディングで開始される。

今次発表は、財務大臣が2014年予算で発表したカタパルトに対する6,900万ポンドの追加投資と、北部パワーハウスの建設計画に基づいた内容である。

さらに財務大臣は同日、精密医療（Precision Medicine）カタパルトの本部をケンブリッジに置き、その地域中核センターをイングランド北部、北アイルランド、スコットランド、ウェールズ、南イングランドの各地に置く旨明らかにした。

精密医療では、患者の疾患をより正確に把握する目的で診断試験やデータに基づく診断が活用され、結果的に、より予測能力の高い安全でコスト効果の良い治療の選択ができる。ケンブリッジの本部と各地域センターは、一旦稼動を開始すると最大100名のスタッフを擁して、この領域における全国的なイノベーション・センターを構成する。

政府は精密医療の研究インフラには10億ポンド強をすでに投資しており、今回の発表は政府のカタパルト・ネットワーク展開計画に基づくものである。

英国にはこのほか8つのカタパルトが稼動開始しており、当初5年間の運用で官民の投資総額は14億ポンドを超えている。

[DW編集局]