[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
研究・イノベーション総局
元記事公開日:
2015/08/05
抄訳記事公開日:
2015/09/04

EU 助成のプロジェクト、鉄道の持続可能なエネルギー利用のための意思決定ツールを開発

On track for sustainable energy use

本文:

欧州委員会研究イノベーション総局は、2015年8月5日付で、標題のプロジェクト紹介記事を発表した。以下にその概要を紹介する。
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<概要>
積極的な省エネルギーを望んでいる鉄道会社は、鉄道網の複数箇所の状況を同時に考慮に入れなければならず、それは容易いことではない。EU助成の研究者達は、意思決定ツールを構築し、この業務をより運用しやすくするための基準を定めつつある。プロジェクト・チームによれば、このアプローチによって、10%のエネルギー消費量の削減が達成されうる。

<本文>
EU助成のプロジェクトであるMERLINは、2つの意思決定のためのスマートツールを開発し、鉄道輸送の持続可能性の向上に貢献しようとしている。その一つは、リアルタイムで鉄道エネルギー消費を分析し、エネルギー購入計画を支援するもので、もう一つは、エネルギー効率のよい鉄道網デザインを支援するためのものだ。

既存の鉄道エネルギー・マネージメント・ソフトウェアとは異なり、これらのツールは、鉄道網のエネルギー消費の全ての側面を分析対象にしており、ピーク時交通量に関連するコストと排出量もその射程に入っている。

エネルギー分析ツールは、業務ソフトウェアであり、鉄道システムがリアルタイムでどのように電力を消費しているのかを分析することができるので、鉄道会社が予定したエネルギー目標を達成することができる。

また、このプログラムは、鉄道会社が電力会社を選択し、それによってエネルギーコストを削減することも支援する。これは、鉄道会社が選択した既定の電力会社を常に利用するというのとは異なる。「これは、エネルギー自由化制度によって可能となりました。しかし、適切なツールなしには、これを実行することは難しいです。」と、本プロジェクト・コーディネーターはコメントしている。

更に、この戦略的な意思決定プログラムは、インフラの改良や新規計画時に、鉄道網のデザインによるエネルギー消費の削減方法も提案する。ユーザーが本ツールに彼らの計画と必要性を入力すると、本ツールはそれらを元に、コストや予定削減量を考慮に入れた、エネルギー効率的な形を推奨するのだ。

本プロジェクトは、現在、これらのプログラムのバグを点検し、プロジェクト・パートナーからのデータに基づくリアルタイムのシナリオに対するテストを実施している。本プロジェクト・コーディネーターによれば、本プロジェクトの最終目標は、企業が製品として利用するのに十分な信頼性のある一般公開できる結果を出すことである。

<プロジェクト概要>
・ プロジェクト名:MERLIN
・ 参加国:ベルギー(コーディネーター)、イタリア、フランス、スペイン、英国、チェコ共和国、ドイツ、スウェーデン
・ 総コスト:694万8,156ユーロ
・ EU助成額:449万9,325ユーロ
・ 期間:2012年10月−2015年9月

[DW編集局]