[本文]

国・地域名:
中国
元記事の言語:
中国語
公開機関:
中国科学報
元記事公開日:
2015/08/03
抄訳記事公開日:
2015/09/08

中国科学院、アリババと戦略的パートナーシップを構築

中科院量子信息与量子科技前沿卓越中心挂牌

本文:

2015年8月3日付の「中国科学報」ネット版は、「中国科学院、アリババと戦略的パートナーシップを構築」と報じた。本記事ではその概要をまとめる。

7月30日、中国科学院·量子情報·量子科学技術先端卓越センター(上海)のプレート除幕式が行われ、中国科学院の白春礼院長、上海市の艾宝俊副市長、中国科学技術大学の万立駿校長などが出席した。同日、中国科学技術大学·上海研究院で中国科学院は中国IT大手のアリババグループと戦略的パートナーシップを締結し、「中国科学院-アリババ量子計算実験室」を設立して、共同で量子情報科学分野における先進的な研究を行い、量子コンピューターの開発を展開する。その他、中国科学技術大学は上海市張江ハイテク産業開発区と戦略的協力枠組み協議に調印し、共同で量子情報技術の産業化発展を推進する。

今回の戦略的パートナーシップの構築を契機に、中国科学院は上海市との連携·協力関係を更に強化·拡大し、産学研の協同イノベーション体制を構築して、アリババグループの戦略投資の導入を通じて、共同で世界一流水準の量子情報研究開発基地と上海科学技術·イノベーションセンターの建設を推進する。

量子コンピューターは量子力学の原理を高速演算、ストレージ及び量子情報処理に応用したコンピューターで、実現できれば、大量のデータを同時に扱うような計算問題を、今までのコンピューターとは比べものにならない高速度で解くことができる。

今後、中国科学院ーアリババとは、15年間の協力で、3期に分けて実施する。最初の五年間では、アリババグループは毎年3,000万元の資金を投入し、量子計算実験室を建設する。その他、アリババグループは中国科学院と緊密に協力し、Eコマース(※)とデータセンター向けセキュリティ分野での量子暗号通信技術の実用化を実現するように努力する。

※ Eコマースとは、インターネットや専用回線といった通信ネットワークやWebテクノロジーなどを利用して商取引を行うことである。

[JST北京事務所]