[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州共同体研究開発情報サービス(CORDIS)
元記事公開日:
2015/10/30
抄訳記事公開日:
2015/12/04

気候変動に関する交渉を支援する科学研究の成果

Research results to support climate change negotiations

本文:

欧州共同体研究開発情報サービス(CORDIS)の2015年10月30日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
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2015年11月30日、世界190カ国以上の代表者が、パリで開かれる国連気候変動枠組条約第21回締結国会議(COP21)に参集し、地球の温暖化を2℃未満に抑えることを目的に、気候変動に関し、すべての国に適用可能な新たな国際協定の締結を目指す。

今回で21回目となるこの会議への関心度は高く、世界を正しい方向へと導き、破滅的な気候変動を回避するために、これが最後のチャンスだと断言する人も多い。先月、フランスのフランソワ・オランド大統領は国連総会に対し、今年何らかの決定が下されなければ、「世界にとって取り返しのつかない」事態を招くことになるだろう、と警告した。

一連のCOPにおいてこれまで交渉を支援してきたのが、世界中の研究者チームによる熱心な研究への取り組みであり、その成果は特に国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の報告書として現れている。

EUの資金提供を受けた研究者は、データやツールの提供において重要な役割を果たしており、気候変動に関する説得力ある協定の実現を支援してきた。例えばIMPACT2Cプロジェクトは4年間にわたり、地球温暖化に関連したリスクや代償、相互作用、費用を浮き彫りにして報告する作業を経て、今年9月に終了した。このプロジェクトではウェブ地図が作成され、気候変動に関する国際交渉に参加する欧州の各機関にとって特に有用となるだろう。

また、HYPOXプロジェクトは、水生系における酸素欠乏に関する重要な知識を欧州の政策立案者や意思決定者に提供している。水生系における酸素利用性は地球温暖化によって脅かされており、こうした情報によって政策立案者や意思決定者が効果的かつ持続可能な開発戦略を策定し、COP21などの国際交渉の場で自らのポジションを確立するのを可能にしている。

[JSTパリ事務所]