[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2015/11/10
抄訳記事公開日:
2015/12/14

スマート技術は人間をアシスト

Intelligente Technik hilft den Menschen

本文:

連邦教育研究省(BMBF)は技術をより人間のニーズへと合わせるための研究プログラム「技術を人間のために」をスタートさせることとし、概略下記のような報道発表を行った。

苦手な縦列駐車をアシストする駐車支援機能、自分のバイタルを常にモニターできるウェアラブル端末。こうしたスマート技術は日常生活において人間の助けとなることが多くなっている。人間が高齢に至るまでその生活を自己決定できるようにするためには、モバイル技術を安全で、操作し易く、しかもコントロールできるものにしなければならない。このためBMBFは研究プログラム「技術を人間のために」をスタートさせた。このプログラムは、スマート・モビリティ、デジタル社会、健康な生活という三つの中心的テーマ分野を包括している。

ヴァンカ大臣は「まさに今、デジタル化による魅力的な技術開発を体験中である。ますま端末が小型化し、特にヘルスケア分野で高い性能を持つようになっている。しかしそれだけでは生活の質を向上させることにはならない。最新の血圧計も、操作が簡単でなければ何になるのだろうか。技術が人間の手の中で実際に利用できる、ということが大切なのである」と語った。

焦点となるのは、モビリティ、ICT、ヘルスケアのためのインタラクティブでかつ「共に学ぶ」技術である。研究されるべきは、人が迅速、かつ安全な複数の省エネ交通手段でA地点からB地点へ到達できる、スマートなモビリティ・コンセプトなのである。実践的な大学教育における新しい知識の取得のためのデジタル技術あるいは自宅介護を必要とする人たちを支援するサービス・ロボットの開発も推進されるべきである。

技術的に可能であるもの全てが、利用者の目からすれば有意義というわけではない。技術は利用者に優しく、操作が容易である場合にのみ人間の本当のパートナーとなる。言語、顔の表情、手振り等による制御ができることによってスマートな暖房機器が全ての人にとって問題なく操作できるものとなる。ICT、エレクトロニクス、ロボティクス等のキーテクノロジーは、技術を個人の能力、リクエストに適応させるための基礎的要素となるものである。

今回の新しい研究プログラムはBMBFが既に研究プロジェクトを支援している既存の助成プログラム「人口高齢化に対応する人間・技術・インターアクション」の上に追加的に構築されるものである。イノベーション・クラスターBeMobilにおいては、患者のリハビリを24時間モニターし、アシストする理学療法装置と取り組んでいる。またUrbanLife+プロジェクトでは高齢者にやさしい都市づくりを目指している。例えば、明るさを自動的に歩行者の視覚能力に対応できる街灯で、障害によって活動に制約のある人は見通しの悪い横断歩道や危険な段差では、音と光による信号で個別に危険を知らされることになる。このために交差点や危険な個所には、歩行者のスマートフォンから個別に通信できるセンサーシステムがインストールされるシステムなど。

新プログラムのためBMBFは2016年から2020年まで毎年約7,000万ユーロを用意する。

[DW編集局]