[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
フランス技術アカデミー
元記事公開日:
2015/12/04
抄訳記事公開日:
2016/01/20

情報・通信技術が世界のエネルギー消費に及ぼす影響

IMPACT DES TIC SUR LA CONSOMMATION D'ÉNERGIE À TRAVERS LE MONDE

本文:

フランス技術アカデミーの2015年12月4日付け標記報道発表の概要は以下のとおり。

情報・通信技術(ICT)が社会のエネルギー消費に及ぼす影響及びこのセクターが生み出す温室効果ガスの排出量について、技術アカデミーはフランス内外の多数の専門家にヒアリングを実施した。各種装置やインフラの稼動による影響やICTがもたらす他のセクターでの削減効果を考慮しつつ、「採掘から走行による消費まで」のICTによるエネルギー・環境収支の総合評価を目的とする。この総合評価が技術アカデミーの報告書としてまとめられ、このほど発表された。

ICTは2012年に地球上の電力消費の4.7%を占め、炭素排出量では世界全体の1.7%と見積もられている(情報機器、通信装置、インフラ、データ・センターなどICT関連領域に関して)。これらのデータは一貫した上昇傾向を示しているが、ICT活用の伸びに比べれば低い割合である。産業界が製品や装置のエネルギー効率改善を目的として展開した技術イノベーションによって、電力消費の上昇はICT利用の伸びに比べて低い。

エネルギー料金の軽減や他セクター活動による炭素排出量の軽減に対するICTの寄与は明らかで、今後も強化促進される。輸送、建物のエネルギー最適化、産業アプリケーション、脱物質化方式など特定分野でのアプリケーションが特に有望と考えられる。

[DW編集局+JSTパリ事務所]