[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
大統領府
元記事公開日:
2015/11/25
抄訳記事公開日:
2016/01/28

大統領科学技術諮問会議が気候変動に適応する為の民間セクターの取り組み支援を提言

PCAST Recommends Actions to Catalyze and Support Private-Sector Adaptation Efforts to Climate Change

本文:

2015年11月25日付の大統領府大統領科学技術諮問会議(PCAST)による気候変動への適応に関する発表記事の概要は以下の通りである。

PCASTは大統領から、気候変動の近未来および長期的な影響に対する民間セクターの準備や適応に関して、どの様に支援できるか、その具体的方策を提示する様に要請された。

連邦政府の気候変動に対する取り組みは概ね公共及び民間セクターにおける、気候変動の影響を緩和する活動の推進と、公共セクターにおける変動への適応関連の活動が重点化されてきた。一方民間セクターの気候変動に対する備えの支援についてはあまり関心が払われて来ておらず、ここに大きなニーズがあり、行動すべき機会がある。

気候変動への適応に取り組んでいる数少ない企業は短期的な目標、例えば異常気象がもたらす変動(例えば洪水や干ばつ)に的を絞り、気候変動と関連付けられている長期的な課題(例えば海面上昇、入手可能な原料の変動)に適応する必要性には注目していない。企業が、気候変動に適応する為のイニシアチブの達成の評価基準を報告する事は稀である。その理由は、主にそれらが一般に入手可能では無く、広く共有されていないためである。

PCASTは民間セクターとの接触を通じて、企業幹部の多くは連邦政府が所有している気候変動への備えに役立つ利用可能な既存のデータ、ツール及び情報源について知らない事が明らかとなったとした。又、一部の幹部からは気候変動関連データはより的確に個別のユーザーの必要性に合わせたものとして提供出来ないかとの意見や、より使い易い、利用可能データの単一エントリーポイントの設定と共に、それらのデータを実用的な情報に転換する為のツールや方法についての要望が寄せられた。さらに、民間セクターからの強い要望として気候変動の長期的リスクについての理解を深め、加えてより強靭で良く準備された方法を見出す事に連邦政府と共に積極的に取り組みたいとの意向が示された。

大統領宛てのPCASTレター報告では、以下の6つの提言を行っている。
1.民間セクターの教育とコミュニケーションの為の確固たる戦略の構築と実行
2.技術開発や実演を含んだ適応科学研究(adaptation-science research)を推進
3.連邦政府のプログラムや資源から得られる気候データ、モデル、ベストプラクティス、ケーススタディー及びその他情報の入手可能性、アクセス、及び使い勝手の向上。
4.適応行動に関する新規の官民投資能力を解放し、新規投資手段を開拓する為のメカニズムを検討すると共に既存プログラムを強化する。
5.官民パートナーシップの活用を強化し知識を集積する、且つ限られた資源を活用する。
6.民間セクターを取り込んで前記提言に沿った試験的取り組みを行うオバマ政権の “Strong Cities, Strong Communities”イニシアチブを活用すべく都市ベースの適応パイロットプロジェクトを展開する。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]