[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
大統領府
元記事公開日:
2015/11/29
抄訳記事公開日:
2016/01/29

ファクトシート:ミッションイノベーション

FACT SHEET: Mission Innovation

本文:

2015年11月29日付の大統領広報室によるクリーンエネルギーへの取り組みとしてのミッションイノベーション(Mission Innovation)に関する発表記事の概要は以下の通りである。

11月30日、世界のクリーンエネルギー(CE)の研究開発(R&D)予算の80%を占める20カ国の首脳はパリでMission Innovationを発足させる。これは地球規模の、官民によるCEイノベーションを劇的に加速する為の歴史的なコミットメントであり、参加各国は、それぞれの国において、今後5年間に亘ってCEのR&D投資を倍増させる。これらの追加財源により、クリーンで、手頃で信頼性が高い将来の地球の電力ミックスを決定付ける新規技術を劇的に拡大させていく。

一方で、Mission Innovationと同時に発足した独立したイニシアチブであるブレイクスルーエネルギー連合(Breakthrough Energy Coalition)は、ビル・ゲイツ(Bill Gates)氏が指揮を執る地球規模の民間投資家グループであり、投資リスクを負って、Mission Innovation参加国の研究プログラムから出てくる初期段階にあるエネルギー企業を、研究室から市場導入まで支援する。

CEイノベーションの加速は、地球の温度上昇を2℃未満に抑える目標を達成するために不可欠である。CE技術のコスト削減と展開には顕著な進展が見られる一方で、いまだにイノベーションの速さと変革の規模は必要とされているレベルには程遠い。Mission Innovationとブレイクスルー・エネルギー連合(Breakthrough Energy Coalition)は、手頃な価格のCE技術に取り組むR&Dを加速する官民による強力な取り組みで、次世代の科学者、エンジニア及び起業家を支援する。

CEイノベーションに対する地球規模の取り組みを再活性化するために、2つの取り組みの参加者は共通の目標を共有し、ブレイクスルー技術の開発並びに大幅なコスト削減を図り、
国際社会による、共有された気候目標の達成や、クリーンで手頃な価格のエネルギーの利用機会の拡大、経済発展の支援、そしてエネルギー安全保障を強化する。

Mission Innovationの参加国にはオーストラリア、ブラジル、カナダ、チリ、中国、デンマーク、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、イタリア、日本、韓国、メキシコ、ノルウェー、サウジアラビア、スウェーデン、アラブ首長国連邦、イギリス、米国の20カ国が含まれ、各国は定期的にそれぞれの目標に向けた進捗状況を報告する義務を負う。なお、他の国々へも当イニシアチブへの参加の扉は開かれている。

ブレイクスルー・エネルギー連合は10カ国からなる28名の著名な投資家で構成され、世界の著名な研究室でのイノベーティブな技術を大規模なエネルギー解決策に育て上げるために、持続的に初期投資を提供する。

米国政府は、Mission Innovationの分担として、今後5年間のCEに関するR&D投資の規模を倍増するように努める。新規投資は当初、ブレイクスルーや斬新な変化を起こす可能性が非常に高い初期段階のR&Dに対して戦略的に割り当てられる。50億ドル以上に上る現在の米国政府の投資ポートフォリオは基礎研究から実演に亘るまでの広範なR&D活動を対象とする。これらは11の省庁のプログラムを含んでおり、その最大投資配分先がエネルギー省である。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]