[本文]

国・地域名:
中国
元記事の言語:
中国語
公開機関:
中国科学報
元記事公開日:
2015/11/21
抄訳記事公開日:
2016/02/02

世界最大の球面電波望遠鏡、コア部品試験完了

世界最大球面射电望远镜馈源舱在贵州升舱

本文:

2015年11月21日付の「中国科学報」ネット版は、世界最大の球面電波望遠鏡「FAST」のコア部品試験が完了したと報じた。本記事ではその概要をまとめる。

2015年11月21日、中国の貴州省平塘県で建設中の世界最大の球面電波望遠鏡(FAST)及び重要部品であるフィードキャビンが上昇試験を実施した。これはプロジェクト全体が最終段階に入ったことを意味する。

世界最大の球面電波望遠鏡はFAST(Five hundred meters Aperture Spherical Radio Telescope)と呼ばれ、「観天智眼」(天文を観測する智恵の眼)とも称される。FASTの口径は500メートルに達し、高さが138メートル近くある。今年8月から反射鏡ユニットの取り付けが開始され、取り付けられた反射鏡ユニットの面積は、サッカー場30個分に相当する。

フィードはFASTが宇宙からの信号をキャッチする装置・システムで、フィードキャビンは同システムを設置する部屋を指す。崖には6基の支持タワーが建てられ、最も高いタワーは168メートルに達した。21日に行われた最後の重要な工事は、ワイヤケーブルで重さ30トンに達するフィードキャビンを吊り下げたことである。

科学者はFASTの受信面積を拡大することによって観測できる天体数の増加を図る。FAST竣工後、中国の宇宙空間に対する観測制御範囲が月から太陽系外縁へと拡大され、深宇宙における下り方向の通信速度が数十倍引き上げられた。FASTは地球外文明の探索にもプラットフォームを提供した。

FASTが1995年に立地されてから20年が経つが、FAST竣工後、世界最先端のアレシボ(Arecibo)電波望遠鏡より2.5倍の機敏性を持ち、今後20~30年間で世界一流を維持する見通しである。

[JST北京事務所]