[本文]

国・地域名:
中国
元記事の言語:
中国語
公開機関:
科技日報
元記事公開日:
2016/01/19
抄訳記事公開日:
2016/02/12

新型リチウム電池、一度の充電で800キロ航続

新型锂电池一次充电续航800多公里

本文:

2016年1月19日付の「科技日報」ネット版は、新型リチウム電池を搭載した自動車が一度の充電で800キロ航続できると報じた。本記事ではその概要をまとめる。

このほど、総投資額が107億元(約2000億円)である百成(中国)新型リチウム電池インダストリアル・パーク・プロジェクトが、浙江省南潯で開始された。同プロジェクトでは、電池材料、電解液、電機、電気制御設備などを備えた100のフルオート生産ラインを構築予定である。プロジェクトによる生産が開始された場合、百成電池の年間生産量は容量換算で36億Ahに達し、中国最大のリチウム電池の生産ラインとなる見込みである。

安全性が低い、容量が小さい、航続距離が短い、充電時間が長いという問題は以前から自動車電池の発展を阻んだ技術的な難題である。浙江百成新エネルギー有限公司が自主的に研究開発した新型リン酸鉄リチウム電池は、これらの問題の解消に取り組んでいる。

百成集団は10年前からリチウム電池の科学研究プロジェクトを開始した。グローバル・トップ人材による技術的ブレークスルーに基づき、同社は電池カソード材料の構成などのコア技術を掌握し、安定性が非常に高い新型リン酸鉄リチウム電池の研究開発に成功した。

2015年11月14日から15日にかけて、百成電気バスは1度の充電で1,018キロの航続を実現し、世界ギネスの認定を受け、最長航続距離の記録を樹立した。同リチウム電池は1度の充電で800キロ余り航続でき、メルボルンからシドニーまで移動できる。

百成集団の黄科竣董事長は、「動力電池市場の見通しが明るいものの、グローバルにおける電気自動車の市場占有率はまだ3%に至らない」と述べた。同電池は自動車、船舶、軌道交通などの分野においても利用でき、安全性が高く、容積が小さく、重量が軽いというメリットがある。

黄科竣董事長はまた、充電方式について電気自動車が旧来の「充電スポット」というモデルから脱却すべきと表明した。同氏によると、百成集団は新しい充電モデルを試行中で、線路を選び、地下に充電設備を埋め、自動車が通ると携帯アプリにつながるようになり、運転中で充電を実現できるなどのモデルを提唱している。

現在、同技術はほぼ成熟しており、今年からオーストラリアで試験的な運営を開始する見通しである。当該技術により、電気自動車の更なる普及と「走行中充電」の実現を狙っている。

[JST北京事務所]