[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国防高等研究計画局(DARPA)
元記事公開日:
2015/12/04
抄訳記事公開日:
2016/02/19

次世代光センシング・システムによる望遠鏡の超小型化

Pancaking the Telescope: Seeking a new generation of light-based sensing systems

本文:

2015年12月4日付の国防高等研究計画局(DARPA)の標記発表記事の概要は以下のとおりである。

今回発表のモジュール型光学的開口部ビルディング・ブロック(Modular Optical Aperture Building Blocks:MOABB)プログラムの主な目標は、超小型の光検知測距(LIDAR)システムの構築に使用する先進技術の開発にある。RADARシステムが電波を利用するのと同様に、LIDARシステムは光を利用して対象物の像やその動きを捉える。LIDARシステムは光を発して、その反射のタイミングを正確にモニターし、検知範囲内で対象物の位置を捉えて追跡する。3次元の場面を2次元表現で捉えるカメラと違って、LIDARシステムは基本的に本格的な3次元の実体として捉える。基礎的な技術はすでに世に出ているが、それらは広く利用するには大きすぎたり重過ぎたり費用がかかりすぎる。

対象物近傍の微妙に変化する位置や速度のデータをリアルタイムで提供できる小型LIDARシステムの応用範囲は膨大である。プログラムでは5年間にわたり最高5800万ドルのファンディングが予定されているが、その成果として最も期待が大きい応用分野の1つは、森林の枝葉を透過して隠れた脅威を見分けることが出来る撮像装置である。
その他の可能性のある応用分野としては、狭い屋内空間での小型無人飛行機の誘導に必要な衝突回避システム、ロボットの手足や指のための精密モーター制御、光技術を用いた高容量通信・データ転送システム、精巧なゲーム・訓練用モジュールなどがあり、LIDARは没入型仮想体験を可能とする新世界を切り開く。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]