[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国立標準技術研究所(NIST)
元記事公開日:
2015/12/22
抄訳記事公開日:
2016/02/25

NIST がロボットおよび創薬分野の官民共同先進製造機関に対する支援計画を発表

NIST Issues Notice of Intent to Fund New Manufacturing Innovation Institutes

本文:

2015年12月22日付の国立標準技術研究所(NIST)による新たな先進製造機関(New Manufacturing Innovation Institute)設立の助成金に関する発表記事の概要は以下の通りである。

商務省のNISTは、製造イノベーションのための全国ネットワーク(NNMI)の一環として最大2つの機関に助成金を拠出する意向通知(Notice of Intent)を発出したと発表した。商務省は新たな先進製造機関に対して各々最大7,000万ドルの助成金を5年から7年に亘って拠出する。但し商務省の資金には、民間並びに連邦政府外から同額が拠出されなければならない。これらの機関は助成の期間内に自立する事が期待されている。

プリツカー商務長官は、NNMI機関で共同で設計・開発・商業化されつつある最先端技術は米国の長期的な経済成長、競争力及び雇用維持に必要不可欠であると述べ、これらの機関のネットワークが成長することで、米国が21世紀の経済において最先端に位置し続ける事を確実にする事が期待される。NISTによると、各機関は製造に関する優れた技術の地域ハブとして機能し、米国製造業全体の競争力強化に必要なイノベーションのインフラを提供する。

今回のNNMIは、資金提供側の省庁が製造機関の課題領域を前もって決めていない初の事例となる。NISTは、産業界が関心を抱く如何なる課題に関する提案にもオープンで有るが、とりわけ製造用ロボットやバイオ医薬品の製造に関連するものは大統領科学技術諮問会議(PCAST)の先進製造パートナーシップ(Advanced Manufacturing Partnership)においても国家のニーズを支援するために重要な技術分野であると指摘されている。

共同製造ロボット工学機関では、ヒト又は他のロボットと共同で安全に操業でき、作業指示の入力と変更が容易で、他の事業との統合が切れ目なく迅速に行える様な先端ロボット工学システムの開発に重点的に取り組んでいる。
バイオ医薬品製造機関は、従来の化学的手法の代わりに生体細胞を活用した製造方法による、「生物学的」な治療法を中心としたもので、新規の、よりコスト効率の優れた治療を可能とする製法のイノベーションを奨励し、米国の医薬品産業の競争力の強化を目指す。

NNMI機関は、製造業者、大学、コミュニティーカレッジ、連邦政府省庁並びに州の組織を結びつけ、基礎研究と製品開発のギャップを埋めることを目的とする。これらは応用範囲が広く、産業的に有意義で、研究段階にある生産技術に投資を集中してイノベーションを加速する事を目指す。機関は、製造業者に最先端の設備の利用や従業員の教育・訓練の機会など、共有の資産を活用できる機会を提供する。

全米に既に7つの機関が稼働しており、更に2つが目下設立中であるが、主として国防総省とエネルギー省が助成金を拠出している。これらの全ては、2012年にNISTに設立された先進製造全米プログラム室(Advanced Manufacturing National Program Office)を通して行われている。NISTは2016年1月に最大2つの機関に関する応募を募る計画である。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]