[本文]

国・地域名:
中国
元記事の言語:
中国語
公開機関:
科技日報
元記事公開日:
2016/01/24
抄訳記事公開日:
2016/03/04

中国生産の新エネルギー車、世界販売台数の3割超に

中国新能源汽车占全球销量百分之三十

本文:

2016年1月24日付の「科技日報」ネット版は、中国の新エネルギー車が世界販売台数の3割を超えたと報じた。本記事ではその概要をまとめる。

1月23日に開催された「2016年度中国電気自動車百人会フォーラム」において、全国政協(中国人民政治協商会議)副主席、中国科学技術部の万鋼部長は、「2009年から2015年にかけて、新エネルギー車を累計49.7万台生産した。世界新エネルギー車の販売台数の30%を超えた」と報告した。

万鋼部長の報告によると、「十城千台」プロジェクト*を実施以来、2009年から2015年にかけて、中国は新エネルギー車を累計49.7万台生産し、その内2015年の生産台数が37万台を超えたとのこと。万鋼部長は「我々はコア技術において著しい進歩を遂げた。動力電池、コア材料の国産化プロセスが加速し、動力電池のエネルギー密度が向上し、コストが著しく減少し、安全性及びプロセス工学が継続的に改善されている」と述べた。

動力電池を例に、2014年と2010年を比べ、エネルギー密度が倍近く増加し、コストが50%減少したとした。インフラ建設も加速しており、2015年末まで全国において、3,600基以上の充電スタンドが設置され、公共充電パイルが4.9万本を超えた。

しかし、万鋼部長によると、新エネルギー車の発展は依然として省エネルギーに関するプレッシャーが大きく、ヨーロッパ、アメリカ、日本はそれぞれ燃料削減率4.4%、4.5%、3.9%という厳しい燃費規制を採用し、中国と同様に二酸化炭素の排出を削減する流れになっている。

新エネルギー車は世界自動車産業のグレードアップにおける焦点となっており、2015年末まで、世界新エネルギー車の販売台数が95万台に達し、その内、純電気自動車(燃料電池自動車、電気自動車、BEV)が32万台を超えた。2008年から2014年にかけて、電気自動車イニシアチブ(EVI)のメンバー国(中国、フランス、ドイツ、日本、南アフリカ、スペイン、スウェーデン、米国などの16ヶ国)は、電動自動車に対する投資が160億ドルを超えた。中国の新エネルギー車は世界販売台数の3割を超えた。

同氏の紹介によると、2015年には、新エネルギー車の新しい産業情勢に応じ、中国の科学技術プロジェクトは新エネルギー車の全方面をカバーしたとのこと。以前の「三縦三横」産業構造(「三縦」は、ハイブリッド車、電気自動車、燃料電池車、「三横」は、マルチ電源連系システム、駆動制御システム、電池制御システムを指す)から、基礎科学、インフラ設備、典型的なモデル応用へと発展し、一体化した新体系を形成した。

新体系において、基礎研究の割合が大幅に向上したという。基礎研究は電気化学、力学、動力電池、ハイブリッドシステム、燃料電池システム等を含む。同時に、基礎設備、新たな価値を生み出すコア技術に関する発展計画を策定した。

同氏によると「このような一体化した新体系は、将来の産業発展を有利に進めるためのイノベーション連鎖や産業連鎖に関する科学技術計画を示している」と述べた。

このほか、万鋼部長は動力電池のリサイクルに注目するよう呼びかけた。同氏によると、動力電池、とりわけリチウムイオンバッテリーは回収後、直ちに廃棄するのではなく、カスケード利用できるという。現在の経験から見れば、風力エネルギー、太陽エネルギーのエネルギー貯蔵に使えば、長く利用できる。同氏は「我々は使用済み電池の質、性能、クラス分類等に対する測定・評価技術、基準に関する研究を強化し、関連基準を制定し、カスケード利用を推進する」と述べた。

*「十城千台」プロジェクトは、毎年10都市 以上で1,000台規模の新エネルギー車を普及させるプロジェクトである。

[JST北京事務所]