[本文]

国・地域名:
ノルウェー
元記事の言語:
英語
公開機関:
ノルウェー研究会議
元記事公開日:
2016/04/15
抄訳記事公開日:
2016/05/18

政府研究開発投資によるプラス効果

Public spending on R&D has positive effects

本文:

ノルウェー研究会議の2016年4月15日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
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ノルウェー統計局の最近の調査によると、民間部門の研究開発およびイノベーションに対する政府支援がプラスの効果を生み出しているという。特に税制上の優遇措置であるSkatteFUNN制度の費用効果が高いことが明らかになった。

ノルウェー統計局は2016年4月8日、「研究開発およびイノベーション支援政策の評価」(ノルウェー語のみ)と題する報告書を公表した。統計局は、価値創出とイノベーションに重点的に資金供与するという政府の政策効果について調査している。統計局の分析対象となったのは、税制上の優遇措置であるSkatteFUNN制度、イノベーション・ノルウェー(Innovation Norway:IN)によるイノベーションを重視した政策およびノルウェー研究会議(RCN)が主導する関連措置、ならびにノルウェー輸出信用保証協会(Norwegian Export Credit Guarantee Agency:GIEK)およびエクスポートクレジットノルウェー(Export Credit Norway)による輸出支援プログラムなどである。

主な調査結果は次のとおりである。

- SkatteFUNN制度に基づく支援により、100万ノルウェー・クローネごとに新規の常勤雇用が1.2~1.7口増加。
- SkatteFUNN制度に基づく支援を受けた企業では、支援を受けていない企業に比べ、100万ノルウェー・クローネごとに年間180万ノルウェー・クローネの価値が創出されている。
- RCNまたはSkatteFUNN制度の支援を受けている企業の研究資金の投資回収率は7%である。
- 50万ノルウェー・クローネ未満の支援では、文書に記録できるほどの成果は上がっていない。
- 150万ノルウェー・クローネを超える支援が、最も大きな効果を生んでいる。
- SkatteFUNN制度からは、非常に好ましいプラス効果が生まれており、特に若手企業に対するプラス効果が見られる。

RCNは、質の高い大規模な数々のプロジェクトを長期的に実施する研究開発志向型企業を支援している。

SkatteFUNN制度およびINについては、財政支援の審査基準が比較的低いが、調査では、これら両機関からの支援が、その後大規模な研究プロジェクトの際にRCNから資金を獲得するための最初のきっかけになっていることも示されている。

[JSTパリ事務所]