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国・地域名:
ノルウェー
元記事の言語:
英語
公開機関:
ノルウェー研究会議
元記事公開日:
2016/05/13
抄訳記事公開日:
2016/06/03

研究イノベーション政策のための研究に9,600万ノルウェークローネを投資

NOK 96 million for research on research and innovation policy

本文:

ノルウェー研究会議の2016年5月13日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
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ノルウェー研究会議は、研究が与える影響や、研究投資から社会がより多くの利益を得るための方策を調査するため、2つの研究拠点に資金提供することを決定した。これらの拠点は今後8年間にわたり、毎年最大で1,200万ノルウェークローネの資金を受けることになる。

このほかに参加者自身による自己融資が少なくとも25%加算され、調査活動が行われる。

ノルウェー統計局が最近行った評価から、ビジネス部門における研究イノベーションへの資金供与が価値創出にプラスの影響を与えていることが示された。今回の拠点創設は、研究イノベーション政策分野ですでに実施されている研究を補い、まとめ、推進していくための知識基盤確立に役立つものになるとしている。

ノルウェーの研究および研究をベースにしたイノベーションに対する公的資金の割り当てが増加していることを受け、こうした投資の成果および効果を明文化する必要も高まっている。ノルウェーにおける研究イノベーション政策研究の分析によると、研究イノベーション分野に取り組む研究機関の数は近年大幅に増加しているが、他の北欧諸国と比べると、ノルウェーの研究機関は分断化されており、国際性が弱く、論文の被引用回数も少ないことが明らかになっている。研究イノベーション政策のための研究イニシアティブ(Initiative on Research for Research and Innovation Policy: FORINNPOL)は、研究イノベーション政策の策定および実施に際して利用可能な、知識基盤の拡大と、より的確なターゲット設定を行うことを目的としている。

資金提供される2つの研究拠点は2016年5月に始動し、最長で8年間にわたって運営される。北欧イノベーションリサーチ教育研究所(NIFU)が母体となる、研究の質と政策の影響調査拠点(Centre for Research Quality and Policy Impact Studies: R-Quest)は、質の高い研究を特徴づけ、これらを推進する要因とは何か、またこうした研究が社会にどう影響を及ぼすかを明らかにする。一方オスロ大学の技術イノベーション文化拠点(TIK Centre for Technology, Innovation and Culture)がホストするオスロ科学影響研究所(Oslo Institute for Research on the Impact of Science: OSIRIS)は、社会、特に保健衛生や政策策定、経済、イノベーションなどに対して研究が及ぼす影響について調査することになっている。

[JSTパリ事務所]