[本文]

国・地域名:
ロシア
元記事の言語:
英語
公開機関:
ロシア連邦政府
元記事公開日:
2016/05/19
抄訳記事公開日:
2016/06/15

ロシア主要大学の競争力強化策

Improving the competitiveness of leading Russian universities tops the meeting’s agenda

本文:

ロシア連邦政府の2016年5月19日付発表記事では政府会合におけるメドヴェージェフ首相の発言を報じているところ、冒頭発言の概要は以下のとおり。

ロシアは2020年に向けて、かなりの短期間でロシアの大学の5校以上を世界の上位100校以内にランクインさせる目標を定めている。大学教育が有用かつ威信あるものであるように、専門教育の質の向上を図る必要がある。ロシアの経済には、世界市場の法則性や世界経済の事情に通じ、全人類の技術開発で生じるプロセス等にも精通した専門的人材が必要である。モスクワの諸大学だけでなく他の地域の研究センターもこのランキングに参加することが重要である。

ロシアは世界クラスの大学を擁するが、ランキングにおけるその順位は過小評価されている。自国の大学を教育市場で宣伝することがあまりない。アングロサクソンの大学などはこうした宣伝を非常にうまく簡単に行っている。ロシアもそのような現状を鑑みて自らの強みを宣伝することを学ぶべきである。世界大学ランキングにおけるロシアの大学の順位を上げるべく、主要大学の競争力強化に関する評議会を設置した。同評議会は高等教育界、科学界、実業界、外国の関係者の代表で構成される。

政府は大学に対して助成金の形で支援をする。各大学は独自のプログラムを作成してコンペティションに応募する。2013~2015年にかけて88件の応募があり、21校の大学が選定された。選定大学は助成対象となり、総額300億ルーブルが配賦された。2016年は、21大学に対し計110億ルーブルが助成金として用意されている。

この施策によっていくつか成果が得られている。世界大学ランキングに記載される大学の数が増えた。学科別のランキングでも、伝統的にロシアが強い分野(数学、物理学)だけでなく、社会科学系の分野のいくつかでもロシアの大学の順位が上がっている。多くの大学で研究成果や発表論文数の伸びが見られ、引用件数は2012年以降倍増した。

[DW編集局]