2016年6月24日付の「鋭科技」は、「国家重点研究開発プロジェクトの2016年度審査結果が公表された」と報じた。本記事ではその概要をまとめる。

中国科学技術部は国家科学技術情報管理システムという公共サービス プラットフォームで、30分野の国家重点研究開発プロジェクト･重点研究テーマにおいて採択された700件余のプロジェクトを公表した。当該プロジェクトの研究費総額は200億元（約3200億円）超。

公表されプロジェクトによると、「大気汚染の原因究明及び制御技術に関する研究」という重点研究テーマにおいて、93件のプロジェクトが採択され、テーマ別で最も多かった。研究機関別で見ると中国中車株式有限公司が受託した「先進軌道交通」重点研究テーマの下にある「リニアモーターカー･交通システムの基盤技術」、「時速400キロ超高速列車の基盤技術」、「軌道交通システム安全保障技術」の三つの重点プロジェクトの研究支援金額は計10億元（約160億円）近くに達した。その他、「クラウドコンピューティングとビッグデータ」等の重点研究テーマにおいて、実施後の1―2年間でステージゲートの評価を設けるものも含まれている。

今回公表された国家重点研究開発計画･重点研究テーマは初めてプロジェクト管理専門機構により管理される。

国家重点研究開発プロジェクトは国家科学技術ファンディングシステムにおいて、最も重要な部分である。同プロジェクトは、従来の973計画（国家重点基礎研究発展計画）、863計画（国家ハイテク研究発展計画）、国家科学技術サポート計画、国際科学技術協力･交流特別プロジェクト、国家発展改革委員会と工業・情報化部が管理する産業技術研究･開発資金及び関連省庁が管理する公益的科学研究特別プロジェクト等を統合したものである。

[JST北京事務所]