[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国立科学財団(NSF)
元記事公開日:
2016/07/15
抄訳記事公開日:
2016/09/20

NSFが連邦政府の先端ワイヤレス研究を主導

NSF leads federal effort to boost advanced wireless research

本文:

2016年7月15日付の国立科学財団(NSF)による標記報道発表の概要は、以下のとおりである。

NSFは、ホワイトハウスの先端ワイヤレス研究イニシアチブ(Advanced Wireless Research Initiative)を支援するため、今後7年間にわたって4億ドル以上の投資を行うとともに、以下の一連の施策を講じる。
(1)先端ワイヤレス研究プラットフォーム(Platforms for Advanced Wireless Research (PAWR))の構築
NSFは、ワイヤレス分野の大手企業の協力を得て、今後7年間にわたって4ヶ所にPAWRを設計・構築し、運営するための協力体制を築き上げた。PAWRは、米国の小都市規模の広さを持ち、ダイナミック・ワイヤレススペクトルの利用、ミリ波スペクトルの利用をはじめとするワイヤレス通信ネットワーク分野の多くの先端研究を可能にする。
PAWRの構築を実現するために、これまでに20社以上の企業と民間団体が総額で3,500万ドル以上の寄付を約束した。NSFも2017会計年度以降5,000万ドルを超える額を支出する予定である。

(2)広帯域ワイヤレス接続可能性の拡大を目指すチャレンジコンテストの実施
NSFは、総額100万ドルの賞金を用意して2件のチャレンジコンテストを実施する。
最初のチャレンジコンテストは、災害発生後に緊要な通信サービスを復旧するための迅速で大規模なワイヤレス接続性の提供に焦点を絞ったものになる。
2件目のチャレンジコンテストは、電柱に組み込まれた光ファイバーの活用により都市部において低コストでシームレスな接続性を提供するための革新的な方法を探索するものになる。

(3)情報処理ワイヤレスエッジネットワークに関するインテル社との共同公募の実施
インテル社と共同で新しいプログラムへの参加を求める公募を発表した。このプログラムでは、短時間に大量の情報処理を行うワイヤレスエッジネットワークに関する基礎研究に対して600万ドルの支援を行う予定である。

(4)フィンランドアカデミーとの共同公募の実施
ワイヤレスイノベーションに関するフィンランドアカデミーとの共同研究事業(Wireless Innovation between Finland and the U.S. (WiFiUS))の一環として、強靭で信頼性の高いワイヤレス通信システムとネットワークの設計および解析等に関する米・フィンランド共同研究プロジェクトを支援するために500万ドルの投資を行う新しい共同公募プログラムを発表した。

(5)その他の施策
● 国防高等研究計画局(DARPA)のスペクトル協力チャレンジコンテスト(Spectrum Collaboration Challenge)との連携
● ミリ波研究に関する産学官の研究者による国際的ネットワークの支援
● 大規模スケールネットワーキング・プラットフォームに関する「実践コミュニティ」ワークショップ(Large-Scale Networking Platforms “Communities of Practice” Workshop)開催の支援
● 超短反応時間ネットワーク(Ultra-Low Latency Networks)に関するワークショップの開催の支援

この他、NSFは、ワイヤレス技術に関する基礎的な研究や大規模スケールでの試験等のために今後7年間にわたって3億5,000万ドルを投資することとしており、その結果、本件に関するNSFの全体投資額はおおよそ4億ドル程度となる。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]