[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
大統領府
元記事公開日:
2016/07/15
抄訳記事公開日:
2016/09/21

オバマ政権、先端ワイヤレス研究イニシアチブを発表

Fact Sheet: Administration Announces an Advanced Wireless Research Initiative, Building on President’s Legacy of Forward-Leaning Broadband Policy

本文:

2016年7月15日付のホワイトハウス発表の標記に関するファクトシートの概要は、以下のとおりである。

オバマ政権は、4億ドル規模の先端ワイヤレス研究イニシアチブ(Advanced Wireless Research Initiative)を発足させ、これまでの技術的ブレークスルーと戦略的な投資によって築き上げられた移動通信技術における米国の優位を維持し、次世代技術に関する競争に勝つための新しいステップを踏み出すと発表した。

このイニシアチブに含まれる施策は、次のとおりである。
● 国立科学財団(NSF)と20を超える技術系企業等が官民共同で8500万ドルの投資を行い、4ヶ所に都市規模の広さの先端ワイヤレス試験プラットフォーム(advanced wireless testing platform)(以下「プラットフォーム」という)を建設する。
● これらのプラットフォームを活用して大学が実施する研究のためにNSFは次の7年間に 3億5000万ドルの追加投資を行う。
● その他の連邦政府省庁が補完的な施策を実施する。
これらのプラットフォームおよびそれによって支えられる基礎研究活動により、大学、起業家およびワイヤレス関連産業界は先端ワイヤレス技術に関するアイデアを試験し、開発することが可能となる。そして、それらのアイデアのいくつかは、第5世代の通信規格およびその先にある将来重要となるイノベーションをもたらすことになるだろう。

上記のプラットフォームの建設と研究投資の他に連邦政府各省庁が実施する補完的な施策は、次のとおりである。
(1)プラットフォーム建設と研究への支援以外のNSFの施策
● ワイヤレス広帯域接続の可能性を広げるため、2件の賞金付きチャレンジコンテストを実施する。
● インテル社の研究機関と共同で行う情報指向的ワイヤレスエッジネットワーク(information-centric wireless edge networks)に関する支援プログラム(予算600万ドル)への参加公募を行う。
● その他フィンランドアカデミーとのワイヤレス通信ネットワークに関する共同研究事業(予算470万ドル)への参加公募等を行う。

(2)国防高等研究計画局(DARPA)の施策
● 互いに自動的に協力し、周波数を共有する高周波ネットワークの仕組みを参加者間で競い合うスペクトル協力チャレンジコンテスト(the Spectrum Collaboration Challenge (SC2))を開催する。

(3)商務省(DOC)国立標準技術研究所(NIST)の施策
● 学際的なワーキンググループにより、将来の通信システムと標準規格の実現に必要な研究開発課題を明確にする将来世代通信ロードマップ(Future Generation Communications Roadmap)を策定する。
● 第5世代ミリ波チャネルモデルアライアンス(5G mmWave Channel Model Alliance)による、屋内環境での周波数チャネルの測定等に関するキャンペーンを支援する。

(4)DOC電気通信・情報局(NTIA)通信科学研究所(Institute for Telecommunication Sciences (ITS))の施策
● ITSがコロラド大学と共同開発した試験施設を利用して大学学部・大学院の学生が行うワイヤレススペクトル研究を支援する。
● スペクトル占有測定値データベース(Measured Spectrum Occupancy Database (MSOD))プロジェクトの成果を高度な無線技術に対する国際シンポジウム(ISART)の場で具体的に説明する。
● その他、室内および都市地域での高周波伝播状況の測定活動の拡大等を行う。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]