[本文]

国・地域名:
中国
元記事の言語:
中国語
公開機関:
中国科学報
元記事公開日:
2016/08/10
抄訳記事公開日:
2016/10/18

中国、衛星マイクロ波によるリモートセンシングの応用時代を迎える

“高分三号”卫星发射成功:中国迎来卫星微波遥感应用时代

本文:

2016年8月10日付の「中国科学報」ネット版は、「中国、衛星マイクロ波によるリモートセンシングの応用時代を迎える」と報じた。本記事ではその概要をまとめる。

中国は北京時間の8月10日午前6時55分、山西省の太原衛星発射センターからキャリア・ロケット「長征四号丙」を使い、高解像度地球観測衛星「高分三号」の打ち上げに成功した。これは中国初の精度1メートルのCバンド多極化合成開口レーダー(SAR)搭載衛星である。中国航天科学技術グループ「高分三号」プロジェクトの総括である張慶君氏は、「高分三号衛星の打ち上げと応用は、中国の高分重大特別プロジェクトの実施が可視光、熱赤光、遠赤光からマイクロ波放射区への段階に入り、衛星マイクロ波によるリモートセンシングの応用時代を迎える」と表明した。

高解像度地球観測衛星「高分三号」は地球海洋・陸地情報の監視モニタリングを24時間全天候で実現するとともに、左右の姿勢制御を通じ、対地観測範囲を機動的に拡大し、快速に応答性能を高めることができる。また、獲得したCバンド多極化マイクロ波によるリモートセンシング情報は海洋、減災、水利及び気象等の業種部門に観測データを提供し、海洋開発の実施、陸地環境のモニタリング、防災減災に重要な技術サポートを提供できる。

中国科学院電子学研究所の禹衛東研究員は次のように表明した。SARイメージング機能を搭載した「高分三号」衛星は高解像度を持ち、国際先進的なイメージング技術を用いて1メートル精度のイメージングモードを実現し、世界のCバンド多極性合成開口レーダー(SAR)イメージング衛星の中で最高解像度を持つSAR衛星となる。

「高分三号」は12種類のイメージングモードを備え、解像度は1―500メートル、イメージング幅は10―650キロメートルの高解像度を実現する。

「高分三号」はSAR衛星のバンド多極性の特徴により1回で4種類の多極化レーダー(SAR)画像を獲得し、広範囲及び特定区域の全面、詳しく調査することができる。また、ユーザからの多様なニーズを満たし、多極化SARデータの応用と科学研究の促進に重要な役割を果たしている。

「高分三号」は中国初の設計耐用寿命が8年に達する低軌道リモートセンシング衛星で、ユーザーに長時間で安定したデータ支援サービスを提供でき、衛星システムの効果を大幅に向上させることが期待できる。

高分特別プロジェクトは、地球観測に特化し、幾つかの技術革新を実現した応用型プロジェクトで、デュアルユースのモデル・プロジェクトでもある。現在、本特別プロジェクトは国のガバナンスシステム及び能力の向上、国民経済及び社会発展を有力なサポートをしている。

[JST北京事務所]