[本文]

国・地域名:
ロシア
元記事の言語:
英語
公開機関:
ロシア大統領府
元記事公開日:
2016/09/20
抄訳記事公開日:
2016/11/09

軍事産業委員会会合におけるプーチン大統領の冒頭発言

Meeting of the Military-Industrial Commission

本文:

ロシア連邦大統領府の2016年9月20日付発表では、イジェフスクにあるカラシニコフ・コンツェルンの施設内で開催された軍事産業委員会におけるプーチン(Vladimir V. Putin)大統領の冒頭発言の内容を報じている。概要は以下のとおり。

本日、兵器開発システムの主要領域に関連した多くの課題について検討する。第1に、現代の戦闘において最も重要かつ決定的な役割を果たすインテリジェンス・インフォメーション機構の最新化を取り上げる。今日の国防では、インフォメーションとインテリジェンスの統合された空間の形成が重要なタスクの一つである。これは防護された最新技術を基盤とし、戦術統制から参謀本部に至るまでのあらゆるレベルの指令を網羅する必要がある。

このようなシステムの開発に向けた段階の多くは、長距離精密誘導兵器の情報支援の構築など、2011~2020年兵器調達国家プログラムの下ですでに実施されている。またロシアの軍需産業はインフォメーション・インテリジェンスの統合された空間で使用される最新の兵器システムの連続生産と部隊への供給を開始している。

インテリジェンスと通信の自動制御、およびあらゆるタイプの配備に対応する高精密誘導兵器の情報支援・その他の支援に関わるシステムの試験的なリンケージは、2つの戦略領域で実行されている。

先進の長距離兵器に対する情報支援の試験が実施されたが、この作業をより積極的に進めることが必要であり、すべての計画されたシステムの開発、試験、製造に関するスケジュールを厳守すしなければならない。

議題に上っている第2の課題は、国家軍備プログラムをタイムリーに実施することである。2015年に97%が完了しているが、まだ解決すべき課題が山積している。

国家軍備プログラムの達成、将来性のある兵器の設計、軍産複合体の革新的な進化はすべて、国防強化を目的とした基礎研究が条件となる。

このような状況下で、ロシア科学アカデミーは、その専門性に富んだ研究機関をより頻繁に、そしてより広範に関与させるよう提案している。当該可能性の検討を軍事産業委員会下の科学技術審議会が行うよう指示がすでに出された。

標記発表では、プーチン大統領に続いて同委員会でのロゴジン(Dmitry O. Rogozin)副首相の発言も概ね次のように伝えている。

2016年7月20日付の大統領令に従って、軍事産業委員会は軍事研究改革の第2段階の実施を開始した。現段階では新たな技術パラダイムと先端兵器の設計に不可欠な主要課題に尽力する必要があると考えている。さらに、上記国家プログラムにおいては、新技術の創出が民生面でも大きな効果をもたらす。つまり軍需産業の多角化がデュアル・ユースのハイテク機器の生産につながることになる。

まず第1に材料科学・工学に関連する技術について検討している。そのほか無線電子機器、エンジン組み立て、光エレクトロニクス、フォトニクス、高性能計算(スーパー・コンピューティングなど)など諸分野の技術がある。また原子力兵器複合体向けの特殊な核分裂性物質や高速給気・給水装置の製造に必要な技術開発も行う。その他の関心領域として、サイバーセキュリティ技術、推進技術、ロケット・エンジン技術、ICT技術などがある。

新技術を開発することで、さらに幾つかの広範囲にわたる課題の解決にもつながる。例えば、光エレクトロニクスやフォトニクスの構造には、光電子やレーザー・エミッタの基板、マイクロ波フォトニクス、光学材料、活性媒体、感光性物質、光学的データの転送デバイスが含まれる。まさにそういう理由で、優先技術領域のトップにいる者はシステム・インテグレータとしての任務を負うことになり、関連の主要研究機関のみならず産業界のチーフ・エンジニア会議も統括する。

[DW編集局]